投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 23 日 23:26:14:
2000.08.22 Web posted at: 2:47 PM JST (0547 GMT) ピッツバーグ(CNN)
脳卒中の後遺症で麻痺が残る患者に、人口培養した神経細胞を移植し、運動機能の回復を図るという治療法の開発が進んでいる。研究者らはこのほど、移植の安全性が確認されたとする予備研究の結果を発表、今後、治療効果の本格的な検証をめざすことになった。
安全性に関する研究結果は、ピッツバーグ大学のダグラス・コンズィオルカ博士らが、神経学専門誌「ニューロロジー」の最新号に発表した。この研究では、脳卒中による重度の障害を持つ患者12人の脳内に、人口培養した神経細胞を移植。術後6カ月を経過しても、合併症などの問題は全く生じなかったという。
移植したのは、ヒトの腫瘍細胞から培養された「LBSニューロン」と呼ばれる神経細胞で、脳卒中により損傷を受けた部位やその周辺3カ所に、200万個から600万個を埋め込んだ。
12人のうち6人には、運動機能にかなりの回復がみられた。また、患者の脳内の代謝も改善したことから、移植された細胞は、まわりの脳細胞と連携して、正常に機能し始めたと見られる。
「今のところ、脳卒中が起きて何カ月か経過した後、損傷を直接回復させる治療法はない。理学療法などによるリハビリが、唯一の治療となっている」と、コンズィオルカ博士は語る。「予備研究によって、細胞移植の安全性が確認された。対象患者の数が少ないため、治療効果についてはまだ結論を出せないが、今回の成功で、次の段階に入ることが可能になった」
移植の効果を検証する研究を始めるには、米食品医薬品局の承認が必要になる。
この治療法について、カリフォルニア大学サンディエゴ校のジャスティン・ジビン博士は「ニューロロジー」誌の論評の中で、「脳卒中の発作後、何年か経ったあとで、多少とも回復が可能になるとすれば、素晴らしい成果だ」と述べる一方、「後遺症に悩む患者たちに対し、実際に効き目を発揮するのかどうか、結論付けるにはまだ早過ぎる」と、慎重な見方を示した。