投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 11 日 19:49:12:
欧州原子核研究所(CERN、本部ジュネーブ)は十日、反物質の一つ「反水素」を作り出す新型実験装置が稼働を開始した、と発表した。
反物質は、物質を構成する陽子や電子と正反対の電荷を持つ反陽子や陽電子から成り、物質と接すると互いに消滅する性質がある。
ところが、宇宙の始まりのビッグバンでは物質と反物質が同じ量つくり出されたとみられるのに、宇宙には物質が残った。なぜ反物質だけが消えたのか突き止め、宇宙の成り立ちを解明するのが実験の目的という。
装置は反陽子減速器と呼ばれ、超高速の反陽子を扱いやすい速度に減速する。
減速した反陽子と陽電子を合成して、反水素を作り出す計画だ。反水素を通常の物質である水素と比較し、わずかでもふるまいに違いが見つかれば、宇宙誕生後に反物質だけが消えた説明がつくかもしれない、という。
CERNは一九九五年に反水素九個を作り出すのに成功した。しかし、高速の反陽子を使っていたため、二千五百万分の一秒後に物質にぶつかって消滅し、直接計測はできなかった。