糖尿病が心配な人には朗報かも……

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投稿者 佐藤雅彦 日時 2000 年 8 月 11 日 18:14:34:

  シナモンは“成人発症型糖尿病”に効くかも知れない

●「カウチポテト族」という言葉をどこかで見かけた人も多いかと思います。カウチ(寝椅子)にだらしなくもたれ掛かって、ポテチを貪[むさぼ]りながら際限なくテレビを見ている、ダラシない連中に対する蔑称ですが、そうした形で余暇をつぶすことしかできない米国の下層階級を象徴する、80年代の蔑称でもありました。

●テレビの“娯楽”にはまっていた連中が、今はまっているのは、ひょっとするとWebサーフィンかも知れませんね。 米国の調査で、女性のインターネット利用率が男性を凌駕したという、浮かれ調子のニュースが報じられましたが、それによると、ローティーンの女の子がパソコンに食らいついてきた反面、おそらく人生で最も活動的な年齢層にいる二十歳前後の女性は、むしろ“パソコン離れ”を示した。 結局、本や映画やテレビにも当てはまることですが、“ヴァーチャルリアリティーで遊ぶ”のは、貧乏人の娯楽ですもんね。

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(参考:マイコムPCメール8月11日号より引用)
●NEWS [ 9]: 女性ウェブ・ユーザー数が男性ユーザーを逆転 - 米国調査
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 Media MetrixとJupiter Communicationsの調査によると、米国では2000年第1四半期に女性のウェブ・ユーザーが50.4%に達し、初めて男性ユーザーを上回った。ウェブ・ユーザー全体の増加は前年同期比22.4%増。中でも女性ユーザーは同34.9%増となっている。
  女性ユーザーは、ほぼ全ての年代で増加しており、唯一減少したのが18〜24歳。学校用の資料やショッピングを除くと、オンラインよりもオフライン生活で興味をおぼえることが多いためと原因を分析している。逆に最も増加したのが12〜17歳。ユーザーの低年齢化に加えて、Gurl.comやKibu.comのような、ティーン向けのサイトの増加がその要因だ。
  女性ユーザー全体では、ヘルス、育児、旅行、家計など実生活に結びついたサイトの人気が高い。「薬品の効用」、「ドッグフードの選び方」というような家庭用品情報関連サイトへのアクセスも増えている。Woman.comやOxygen.comのような女性向けサイトも高い人気を維持している。
  18歳以上の女性の場合、最もアクセス数が多かったのはAOL関連のサイト。簡単に接続できるのが女性に受け入れられて、女性のAOLユーザーが多いためだろう。AOL以下は、Microsoft、Yahooと続く。
今回の結果で、ティーンの増加と共に目だっていたのが、男性ユーザーによる女性向けサイトの利用。Women.comやiVillage.comなどが人気で、女性向けサイトの30%が男性ユーザーで占められているという結果だった。
  (Yoichi Yamashita/N.Y.)
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●……などとエラそうなことを書いている私もまた、クーラーのない暑い部屋で、オーバーヒートぎみのノートPCを湯たんぽがわりに膝に置き、ひいふういいながら一日中パソコン作業をしている貧乏人なので、PC/CP(PCカウチポテト)生活で糖尿病になる危険におののいています。

●さて、そういう運動不足野郎には、朗報になるかも知れない情報が飛び込んできました。『New Scintist』誌の最新号によれば、シナモン――肉桂(ニッキ)――をスパイスとして用いれば、ひょっとすると糖尿病の予防・治療に効果があるかも知れないそうです。

●そういや私がガキの頃のお祭りの縁日では、ニッキで風味を付けたブドウ糖をビニールチューブにつめたものや、ニッキ風味の砂糖水を浸して甘みを付けたニッキ紙なんかが売っていたものですが、今でもあるのだろうか……と懐かしい気持ちになってしまいました。 偶然にも、ブドウ糖とニッキの組み合わせは最適だったのかも知れません。

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http://www.newscientist.com/nl/0812/spice.html

●●砂糖とスパイス
――あなたの家の台所にもある、天然の良薬


 シナモンは、中高年層に起こる糖尿病に、予防効果があるかも知れない――米国の研究チームがそんな発表を行なった。

 シナモン抽出物の薬効を調べる臨床試験が、一年以内に実施される予定だが、これに先立ち、栄養学者のリチャード・アンダーソンは「2型糖尿病」(インシュリン非依存性糖尿病)の患者にシナモンを添加した飲食物を与えると効果があるかも知れないと語った。 「一日あたり茶さじ4分の1のシナモンをオレンジジュース、コーヒー、オートミールなどに振りかけて摂取するとよい」と彼はシナモンの利用を勧めている。

 “2型糖尿病”で病死している患者は毎年100万人にも達している。 インシュリンは血中に余分に存在しているブドウ糖(グルコース)を細胞に送り込むホルモンであるが、“2型(インシュリン非依存型)糖尿病”に罹ると脂肪細胞や筋細胞がインシュリンに反応できなくなる。 その結果、血中に溜まったブドウ糖は疲労・激やせ・視力喪失のような病的症状を引き起こす。

 メリーランド州ベルツヴィルにある米国農務省・研究局の栄養学研究室で続けてきた実験的研究の結果、アンダーソンらの研究チームは、シナモンが“2型糖尿病”患者の脂肪細胞の(インシュリンを認識して反応する)能力をふたたび目覚めさせて、ブドウ糖に対する代謝能力を20倍も高めることを確認した。 そしてこの研究チームは、ついにシナモンの中の“2型糖尿病薬効成分”の正体を突き止めた。それは「メチルヒドロキシ・カルコン・ポリマー」(MHCP:methylhydroxy chalcone polymer)と呼ばれる物質である。

 アンダーソンによれば、このシナモン抽出物は、「細胞表面のインシュリン受容体に結合してインシュリンの代役を務める」といった仕組みで効いているのではないそうだ。 これまでの実験からは、この物質が脂肪細胞のインシュリンに対する反応性を高め、その結果、細胞内に「ブドウ糖を血中から取り去れ」というメッセージが確実に登録されるように成るという。

 まだ発表されていない研究成果によれば、糖尿病に罹らせたマウスにMHCP を投与したところ、異常に高かったマウスの血中ブドウ糖濃度は劇的に低下したという。 また、自然発症性の高血圧ラットや、インシュリンへの感受性を失った齧歯[げっし]動物(ネズミやリス)の場合、通常なら糖分が多い食餌を与えると血圧が急上昇するのである が、(シナモン抽出物を投与すると)血圧は正常のまま保たれた。

 「この分野の研究はどんなものでも歓迎しまう」、とロンドン糖尿病患者の会のキャシー・ウェストは語る。 彼女によると、英国では現在“2型糖尿病”で苦しんでいる患者が200万人ほどいるという。だが、「シナモンを摂取すれば糖尿病が治せる、と唱えるのは時期尚早だ」と戒[いまし]めてもいる。 「でも我々は、この研究の今後の成果に期待しています」と彼女は語った。

  (アンディー・コフラン記者)
    『ニューサイエンティスト』誌・2000年8月12日から。





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