投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 22 日 16:23:27:
2000.08.22 Web posted at: 11:10 AM JST (0210 GMT) ニューヨーク(ロイター)
今やネット上では、クリックひとつで様々な商品を売買することができるが、このほど新たに、放射性ウランを競売にかけるサイトが登場し、テロリストなどによる悪用を懸念する声も上がっている。
競売サイト「UraniumOnline.com」を開いたのは、米ニューヨークに本社を持つニューヨーク・ヌクリア・コーポレーション。世界各地の原子力発電所と燃料生産業者に、より開かれたウラン取引の場を提供することが狙いだ。
同社のマーケティング責任者、ベッキー・バトル氏は、「他の商品と何ら変わりはない。ネット上で競売にかけることにより、市場が開放され、価格設定の透明性が増し、先物取引やヘッジ取引なども可能になる」と、利点を強調する。
テロリストが兵器用のウランを入手する手段として利用するのではと懸念する声もあるが、バトル氏は「その危険性は皆無に近い」と断言する。
ロンドンに本社を持つウラン生産・取引会社のヌフコール・インターナショナルは、先月、このサイトの第1回競売で、5万4000キロのウランを購入した。同社のチャールズ・スコアラー最高経営責任者も、「ネット上の取引で、ウランがテロリストの手に渡る危険性が増すことはありえない」と話す。「ウランの移動は、認可された業者間でなければ許されないし、世界でウランの取引に関わっている業者の数は限られているため、見慣れない入札者が現れればすぐにわかる」
また、同サイトでの競売には、招待を受けた者しか参加できないことになっている。バトル氏によると、現在、ウランを燃料として使っている原発は世界で430カ所あり、地球上の電力需要のうち20%をまかなっているという。
「一般の人にはわかりにくいかも知れないが、兵器用ウランと燃料用ウランの間には、大きな違いがある」と、バトル氏は話す。業界関係者によれば、兵器用ウランを作るには格段に高度な技術が必要だが、こうした技術は通常、政府機関の厳しい監視下にあり、簡単に手に入れることはできないという。
従来、ほとんどの原発では、生産業者と長期契約を結んでウランを調達し、単位量あたりの価格は非公開だった。スコアラー氏は、「今後、市場は流動化し、ネット上の取引の利用も増えるだろう」と、新たな方式を歓迎する。
18日に行なわれた第3回競売では、ある業者が、1キロ当たり23ドル5セントで、5万6320キロのウランを購入した。バトル氏によると、従来の方式での平均価格は、1キロ当たり23ドル28セント。この競売には、「数社」から入札があり、将来的に入札を検討している「20社以上」の業者が、オブザーバーとして参加したという。