●世界の感動を呼んだ潜水艇乗組員たち

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投稿者 管理人さん 日時 2000 年 8 月 21 日 11:38:10:

回答先: 艦内全域が浸水、生存の期待なし=ロシア原潜事故で英国筋(時事通信) 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 20 日 22:17:59:

管理人より。下記のメールが届いていました。


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ロシアの原潜事故、乗組員の安否がとても気懸かりです。
ソ連が世界で初めて有人宇宙飛行に成功してまもなく40年に
なろうとする現在、海底わずか100mの潜水艦を救助できない
とは歯痒い思いがします。
潜水艦内部での出来事をあれこれ想像するととてもいたたまれ
ません。
こんな重大事にノンビリ保養地で休暇を楽しむ大統領がいる
ロシアもどこかの国とあまり変わらないような気がします。

潜水艦事故と聞いて私は直ぐに思い出す話があります。
転載ですが以下にご紹介したいと思います。

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●世界の感動を呼んだ潜水艇乗組員たち
 1910年(明治43年)4月15日、広島湾沖で潜水訓練中の
潜水艦が遭難する事故が起きました。海水が潜水艦の内部に
入り込み、後ろに大きく傾き海底に沈んでしまったのです。艇長
の佐久間勉と乗組員13人は、艇を浮上させようと排水などの
手段を尽くしましたが、成功しません。やがて、乗組員全員が
呼吸困難のため窒息死するという痛ましい事故でした。
 日本海軍が初めて潜水艇を保有したのは、日露戦争が終わ
った1905年(明治38年)秋の事でした。潜水艇とは潜水艦の
小さなものでした。六号艇とも呼ばれていた佐久間艇は全長
22mで、世界最小のものでした。この頃の潜水艇は、構造的
にも不備なところが多く、技術においても未熟な点があったの
でしょう。
 数日後、佐久間艇は引き上げられました。潜水艇の遭難事故
はヨーロッパでも度々起きていました。そのとき、引き揚げられた
艇の扉を開けると、そこに多くの乗組員の遺体が群がり、乱闘の
あとさえあったということです。何とかして助からんために、水明
かりのするハッチに殺到していたのでしょうか。
 ですから、関係者たちの間では佐久間艇もそのような状況かも
しれないと、思われていました。
 ところがハッチを開けると、艦長の佐久間は司令塔で指揮を
とるままに息絶え、舵取はハンドルを握ったまま、各々自分の
持ち場を離れずに絶命していて、とりわけ取り乱した様子が無
かったというのです。さらに、佐久間は苦しい息の中で遺書を
書き残していました。その遺書には、部下を死なせてしまった
罪を謝り、部下が最後まで沈着に任務を尽くしたこと。また、
この事故が将来、潜水艇の発展の妨げにならないこと、さらに
沈没の原因とその後の処置について書き、最後に明治天皇に
対し、部下の遺族の生活が困窮しないように懇願していました。
死の直前に、取り乱さないばかりか、後世のために遺書を記し
ていたことは驚きでした。
 国内のみならず欧米各国においても、この事件について新聞
や雑誌が大きく取り上げました。イギリスの新聞『グローブ』紙は
「この事件で分かることは、日本人は体力上勇敢であるばかりか
道徳上、精神上にもまた勇敢であることを証明している。今にも
昔にもこのようなことは世界に例がない」と驚嘆しました。また、
各国の駐在武官は、詳細な報告を本国に伝えるとともに、海軍
省を訪れて弔意を表明しました。これらは通常の外交儀礼を
はるかに超えたものと言われます。
 明治の詩人である与謝野晶子は、佐久間を悼んだ短歌十二
首を歌いました。
・瓦斯に酔ひ息ぐるしくとも記おく沈みし艇(ふね)の司令塔にて
・武人(もののふ)のこころ放たず海底の船にありても事とりて死ぬ
 明治天皇からは、遺族にお見舞い金を届けるという特別の
はからいがとられました。佐久間の遺書に応えたことになります。
また、海軍省と朝日新聞によって義援金の募集が行われ、現在
の価格では億単位になる56,000円のお金が全国から寄せられ
ました。
 この事件は、今では語られることはなく、佐久間勉の名前を知る
人は殆どいません。しかし、当時は国内のみならず、世界の人々
に感動を与えたのでした。(筆者:入川智紀)

以上『教科書が教えない歴史・明治〜昭和初期、日本の偉業』
(藤岡信勝/自由主義史観研究会・著、扶桑社文庫)より抜粋

                        = 白洲 嘉人 =






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