投稿者 クリちゃんも見習え 日時 2000 年 8 月 17 日 13:07:46:
パキスタン陸軍参謀長、核実験凍結の継続を表明
【イスラマバード17日=佐藤浅伸】パキスタン軍事政権の最高指導
者、ペルベズ・ムシャラフ陸軍参謀長は十六日、森首相の訪問を前に、参
謀長公邸で本紙などと会見し、核実験全面禁止条約(CTBT)署名に
は、「国民の合意形成が必要だ」として、時期尚早との考えを明らかにし
た。一方で、「(新たな)核実験の計画はない。森首相にも核実験凍結
(の継続)を確約する」と述べ、CTBTの精神を順守していく方針を表
明した。参謀長が核実験の凍結継続を改めて確認したことで、人道援助な
ど日本政府の政府開発援助(ODA)が一部拡大される見通しとなった
が、経済制裁の完全解除には、依然としてめどが立たない状況だ。
参謀長は、「インドが核実験を再開すればパキスタンは追随するか」と
の問いに対し、「そうだ」と明言。「CTBT署名はインドも他の国も核
実験をしないことが条件だ」と付け加え、早期署名に難色を示した。
また、米中央情報局(CIA)が今月九日に公表した報告書で、中国が
パキスタンに対するミサイル技術支援を増強していると指摘した点につい
て、「長い間、中国との軍事協力はあった。戦車、対戦車ミサイル、地対
空ミサイルの共同開発を行った」と過去の協力関係は認めながら、「現在
は自力で生産している」と強調、報告を否定した。
さらに、インドとパキスタンとの間で核戦争の危険性が高まっていると
の指摘に関しては、両国の核実験後、初の本格的な戦闘となった昨年五〜
七月のカーギル紛争を例に挙げ、「局地的な戦闘にとどまったのは、通常
兵器と非通常兵器(核兵器)の二つの分野で抑止力が働いたからだ」と述
べ、パキスタンの核能力獲得で地域の安全性が高まった、との認識を示し
た。
一方、日本政府に対しては「核による大量虐殺の犠牲者としてCTBT
問題に誠実に取り組んでいる。他の国の名前は挙げたくないが、日本のア
ドバイスは受け入れる」と述べ、CTBT署名に強い圧力をかける米国に
不快感を示すとともに、日本からの経済支援の拡充に期待感を表明した。