“IT経済”は企業社会を根本から破壊しているらしい

 ★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ ★阿修羅♪ Ψ空耳の丘Ψ9 ]

投稿者 佐藤雅彦 日時 2000 年 8 月 17 日 10:24:12:

          IT経済のアリ地獄


●今週号の週刊新潮に、IT経済はオトーさんの暮らしをどう変えるか、みたいな近未来予測“啓発”記事が出てました。 まあ、あの雑誌は、昭和史の埃に埋もれた情交殺人事件みたいなものばかりをほじくり出して、いまさらネチネチと読み物にしているような、ボケ老人むけの“活字つきチリ紙”みたいなものだから、キョウビの現実なんざ他人事のような書き方だったけど――それに今ごろ“IT革命”のことを「未来予測」するのは遅いって(だってもう“非効率労働者層”はどんどん整理されているしね)――たった一つ、オモシロイ指摘がありましたね。 つまり、情報技術が経済に浸透すれば、中間管理職の階層は消滅し、やたらと人に会いまくる経営者と、やたらに電算機入力に追われる労働者に二極分解し、どっちも今よりずっと忙[せわ]しなく働かねばならない状況が訪れるんだとさ。

  もっともこれは法人企業という“虚構の超人”リバイアタンに寄生[パラザイト]している社畜……、もとい、「会社員」の方々について言えることであって、「会社員」といっても労働者のほうは、もはや会社に縋[すが]る生き方は許されず、使い捨ての労働ジプシーとして、明日なき生活を送ることになる。 スリリングですねえ……。 

  自分で商売している商店主などは、電子取引が普及すれば、どんどん淘汰されることになる。 資本主義の醍醐味がイヤというほど味わえる、イイ時代になりました。 だって日本の有権者層の圧倒的大部分は、けっきょくこういう“砂漠の中のジャングル”みたいなスリリングな体制を選んできたんですものね。 そういう意味では立派な“因果応報”ですわ。

●インターネット・コム日本版が、興味深い外電を伝えています。 求人会社 Morgan & Banks Technology (これはモルガン系の金融コングロマリットの一部かな??)の調査によれば、インターネットを使って労働者は勤務時間中に堂々と就職活動をして、今よりも条件のいい会社にどんどん移っていくので、労働力の流動性が高まり(要するに社員が移り気になり)、企業のほうは、辞めていく社員が(顧客リストや)知的財産を持ち逃げするので、経営の危機に直面しているという。

  ……いい話じゃないですか。 修身の教科書に載ってもオカシくない。 私はこの記事を読んで、魔法使いの弟子のおとぎ話を連想しましたね。 魔法使いの弟子は、見よう見まねで魔女の技術を手に入れて、魔女に頼まれた掃除洗濯を、ホウキやタワシなどに魔法をかけて“自動化”したのですが、制御の仕方がわからずに、洗濯や掃除用具は暴走し、家中を滅茶苦茶にしてしまうのでした……。 弟子にしてみりゃ「こんなハズじゃなかった」というわけ。

●渋谷だから「渋い(bitter) 谷(valley) 」、これとデジタル情報の単位である「bit」を捩[もじ]って「ビットバレー渋谷」だ……というのは、あまりにも陳腐なオヤジギャグですが――ほんじゃ「山谷ブルース」は「マウントバレー・ブルース」かい【笑】――給料の変わりに株を与えるというエサではもはや社員が居着かなくなっているから、「bit valley 」が「bit worry (ビット・ワレー)」に変わるのは時間の問題かも知れませんな。

★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★
  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

引用元:http://japan.internet.com/wmnews/20000816/6.html


インターネットで社員が移り気に

著者: Karen Stuart  
▼2000年8月16日付の記事
■海外internet.com発のニュース

オーストラリア、シドニー発──ある報告によると、インターネット時代の最初から、社員の忠誠心というものはどこかに消えてしまった。何といっても、インターネットのおかげで転職がいとも簡単になったからだ。一方会社にとっては、経営の安定性と知的所有権管理が危機に直面している。

求人会社 Morgan & Banks Technology によって実施された調査によると、男性の85%、 女性の77%が、インターネットで転職が簡単になったと考えている。しかも、男性の7 2%、女性の66%が、インターネットが在職期間に影響を与えていると答えている。

この調査は2500人の勤労者を対象に行われたが、より若い回答者ほど転職に積極的だ。 19-24歳のグループの100%、25-34歳のグループの85%が、インターネットによって新しい職を見つけ、それを獲得するのが簡単になったと回答した。

ネットを使った転職先探しで注目すべきなのは、慎重さの変化だ。Morgan & Banks によると、「男性60%、女性の52%という大変な数の回答者が、現在の職場で就業時間中に転職先を探している。インターネットが、就業時間中に人知れず完全な職探しを行うことを可能にしたのだ」という。

SACS Executive Solutions による別の調査によると、給与の一部として株式を提供するといった引き留め策は、バブルが崩壊して以来有効性を失いつつある。SACS のマネー ジングディレクター、Andrew Marty によると、「就職希望者は、給与の一部を株式で受け取ることにリスクがあることに気付き、かなり慎重になっている。かってのような、給与の半分を株式で受け取っていた時代は終わった。企業が成功する可能性について、従業員は従来以上に賭だと感じるようになってきている」という。


★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★






フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。