投稿者 佐藤雅彦 日時 2000 年 8 月 17 日 01:16:10:
携帯電話の使いすぎでハゲるかも……???
●ロイター保健ニュース(Reuter Health)に、ちょっと気になる最新記事を発見しました。
オーストラリアの医師グループが、労働安全衛生関係の専門医学雑誌に、「携帯電話によって頭皮の神経に損傷が起きる危険性」を示唆する報告を提出したとのこと。
●携帯電話の医学的危険性については、脳腫瘍のことばかりが語られ、これに対して産官学の電話利権集団が“火消し”に躍起になっているのが昨今の動向ですが、携帯電話の“健康危害”は「脳腫瘍」に限ったことではない。
神経機能に損傷を及ぼして学習能力や記憶力を阻害することは、すでに報告されているから、神経機能障害に由来する各種の精神的・人格的障害なり疾患をもたらす可能性はあるといってよい。 問題は、そうした微妙な障害や疾患の病因を正確に特定するのは現実には手間とカネと時間が莫大にかかるので、実験的証明がほとんど不可能だということでしょう。 ……我々はただ、何年か何十年かのちに、人格や精神能力が劣化した“新人類”にいつの間にか取り巻かれて、「ああ、ひょっとすると携帯電話は相当ヤバかったんだな」と後で悔やむのが関の山なのだと思います。
●携帯電話(の、おそらくは放射されている電磁波)が、頭皮の神経に損傷を与えているとしたら、他の生理学的機能や代謝機能にも損傷を及ぼしていると考えた方がよい。 神経機能の損傷は、反応がすぐ出てくるのできわめて判りやすいが、代謝機能やその他の生理学的機能は、ゆっくりと時間をかけて少しずつ影響が現われるだろうから、これまた病因論的な因果関係をきっちり見きわめるのは、きわめて困難である。
そうした機能障害の結果、目に見える形で現われてくるのは、頭皮や顔面の腫瘍かも知れないし、異常なニキビや脱毛症かも知れない。
●最悪のシナリオは、幼少時から携帯電話を使い続けて、学習能力を破壊され、人格的・精神的にビョーキを抱えながら、若いくせにハゲ・ニキビ・シミで、首から上が内側も外側も惨憺[さんたん]たる有様の人間が“大量生産”されていくことでしょうな。
“真・善・美”を掲げたいニッポンにとっては、これは回復不能なダメージでしょうな。 しかし電話利権集団だけはアブク銭を稼ぎ続けるだろうから、エコノミック・アニマル――「経済獣」とも訳せるが「安っぽくシミったれたケダモノ」とも訳せる――の国家としては、連中はそれで満足できるのかも知れないが……。
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●ロイター保健ニュース
(http://news.lycos.com/headlines/Health/article.asp?docid=RTHEALTH-PHONES&date=20000815)
携帯電話は頭皮の神経に
損傷を及ぼしている可能性がある
(2000年8月15日火曜日/エイミー・ノートン記者)
ニューヨーク(ロイター保健ニュース) −
携帯電話はあらゆる場所に存在する機械となりつつあるが、その結果、運転手の注意を逸[そら]したり脳腫瘍の潜在的な原因になるなどの“健康危害”の元凶として次第に関心を集めるようになってきた。 そして今や、「携帯電話が当否の神経に損傷を及ぼす危険がある」という証拠を示す研究者たちも現われている。
『労働医学』誌(Occupational Medicine)の最新号で、オーストラリアの研究者たちが、携帯電話の使用によって頭皮の神経に損傷を受けたと見られる患者について、報告を行なっている。
コールフィールド総合医療センターの. ブルース・ホッキング とR・ウェスターマンによれば、これまでに耳の周りや側頭部や後頭部に焼けるような感覚や鈍い痛みを訴えてきた40人の携帯電話利用者の苦痛の原因が、この神経損傷によって説明できるかも知れないという。
この報告で紹介されている72歳の老人は、右側の側頭部にだけ痛みを訴えていたが、彼はもっぱら右耳に携帯電話を押し当てて使っていた。 この患者自身は、自分の痛みを「頭の中」ではなく「頭の表面」が年がら年中「傷つけられている」みたいだと語っていた。 やがてその痛みは、彼の頭の右側の側頭部から頬[ほお]や首にまで広がっていった。 この研究者たちは、患者の東部の左側ではなく右側の神経に、感覚面での損傷が起きていることを見いだした。
ホッキングはロイター健康ニュースの記者に対して、この観察成果のおかげで自分の医療チームが診てきた40人の携帯電話利用者に共通して現われていた症状を「神経学的に説明できる可能性が充分ある根拠」が得られた語っている。 つまりこうした痛みは「心の持ち方で起こる心因的なもの」なのでは到底ない、と彼は力説する。
携帯電話が頭皮の神経にどのようなメカニズムで損傷をもたらすのかは、まだ不明である。しかし電話機が発する“熱”がこうした症状を起こすことはあり得ないだろうとホッキングは述べている。 携帯電話などが放射する電磁波の“熱作用”は、これまでも「脳腫瘍の元凶かもしれない」と取り沙汰されてきた。 仮に電話機からの熱が患者の頭皮に痛みを起こしているのなら、この患者はオーストラリアに長年暮らしてきたのだから当然似たような症状を経験していたはずなのに、患者は日光ではそうした痛みを経験していない、とホッキングは指摘する。 おまけに――とホッキングは付け加えた――頭皮にはきわめて能率的な“冷却システム”が備わっている。
ホッキングによれば、携帯電話は皮膚にヤケドを起こすのではなく、何らかのメカニズムで頭皮の神経機能を乱している恐れがあるという。
ただし――と彼はクギを刺す――脳腫瘍の場合は神経ソン作用よりも遺伝子の損傷で起こると考えられているので、この調査結果から「携帯電話は脳腫瘍を起こす」という結論を引き出すのは今のところ無理であろう。
ホッキングとウェスターマンの結論はこうだ――「携帯電話を使う場合は、通話時間を短くするか、電話機を頭に近づけなくても通話できる“ハンドフリー機能”などや(イヤホンマイクなどの)装備を用いるべきである」。
●出典:『労働医学』誌(Occupational Medicine)2000年;第50巻:366 - 368頁。
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