投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 16 日 18:43:17:
「カラスの知能はイヌより高い」−。作物や生ごみを食い荒らす黒い害鳥、カラスの頭脳に関する新たな事実が、宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授の研究で明らかになった。脳を解剖した結果、知能の高さを示す指数でネコやイヌを上回り、同教授は「数々の撃退策にも動じないカラスのしたたかさが科学的に裏付けられた」と話している。
脳の解剖は、都会でもよく見掛けるハシブトガラスを使って行われた。脳を取り出して重さを計ると、約10グラムでニワトリの約3倍、脳1立方ミリメートル当たりの神経細胞は約2万個でニワトリの6倍。脳細胞が高密度で、しかも知能の高い動物に特徴的な配列構造を成していることも確認された。
一方、全体重に占める脳の重さは「脳化指数」と呼ばれ、動物の知能の高さを推し量る一つの指数だが、ヒトの場合は0.86。カラスはこの数値が0.16で鳥類の中ではずばぬけて高かった。イルカやサルには及ばないが、0.10以下のウシやウマより高く、さらにネコの0.12をも上回った。イヌは脳化指数0.14の利口な生き物だが、カラスはイヌをも上回った。
カラスは本来、昆虫やネズミなどを捕らえて食べているが、人里近くの生活で次第に雑食化していったとされる。杉田教授は「小動物から生ごみまでさまざまな物を食べ、電柱やビルにも営巣する多様な行動が学習を引き起こし、脳の発達を促しているのではないか」と分析している。