投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 8 月 10 日 13:33:00:
2000.08.10 Web posted at: 12:33 PM JST (0333 GMT) ニュージャージー州マリーヒル(CNN)
ベル研究所とオックスフォード大学の研究チームが、サケの精子から抽出したDNAを使って、「DNAモーター」と呼ばれるピンセット型の微小なDNAの動力発生機構を生成することに成功した。この技術を応用して、将来的には現在の1000倍の処理速度を実現するコンピュータを作りだすことも可能になるという。
DNAは生物の遺伝情報をつかさどる生命情報物質で、2重らせん構造をもっている。研究チームは、何十億通りもの配列を持つDNAの各部分が、互いに照合し合って決められた通りの完全なDNAの配列になる仕組みに着目。この動力の発生源となっている分子を取り出し、試験管の中でDNAモーターを組み立てることに成功した。生成されたモーターは針先の10万分の1ほどの大きさで、動力発生源の物質を加えることで、ピンセット型の構造を繰り返し開いたり閉じたりさせることができるという。なお、サケの精子を用いたことにはとくに意味はなく、このモーターはほかの生物から抽出したDNAからも生成できる。
このDNAモーター生成に用いられた技術は、いずれ、シリコンを添付したDNAの微小回路を集積するのにも応用できるようになり、「電子回路などの複雑な構造を超微小なレベルで集積する技術につながる」と研究者は話している。ただし、これが実際に応用できるようになるのは10年から20年先になるとのことだ。
この研究結果は、英国の科学誌「ネイチャー」の今週号に掲載される。