投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 8 月 10 日 19:17:01:
第2次世界大戦中、オランダで資産を略奪されたユダヤ人に対する補償をめぐり、ユダヤ人団体とオランダ政府、経済界の間で続けられてきた一連の交渉がこのほど、決着した。補償の総額は約7億6400万ギルダー(約348億円)で、政府が4億ギルダーを負担する。ナチス統治下での強制労働に対する補償がドイツで始まるなど、欧州各国で戦後補償が改めて浮上する中、オランダ政府も「過去の清算」を急いだ。一方、政府は旧日本軍が占領したオランダ領東インド(現インドネシア)で資産を奪われたオランダ人に対する補償についても検討している。
政府は1997年に調査委員会を設置するなど、数年にわたってユダヤ人団体である「ユダヤ中央評議会」との交渉を続けてきた。今年1月には、コック首相が戦時中の略奪だけではなく、強制収容所から帰還したユダヤ人に対する冷遇についても正式に謝罪した。
補償は貯金や証券、保険などの動産について支払われ、資産価値の判断が難しい宝石や絵画などは対象から外された。総額のうち、6億3900万ギルダーは資産返還分として、名乗り出た本人や遺族に分配される。残りは国外のユダヤ人人道支援などにあてられる予定だ。補償の窓口となる財団が9月に発足、年内にも支払いを始める。
同評議会によると、オランダがドイツに占領された時期、ユダヤ人約14万人のうち、10万人以上が強制収容所などに送られた。遺族も含めた補償の対象者は3万人以上とみられる。
評議会のユルムス広報官は「戦後55年にして、ようやく政府や企業に責任をとる機運が出てきた。傷つけられた人々を少しでもいやすことになるよう希望している」と語った。
政府は対ユダヤ人枠とは別に、やはりナチスによって迫害されたロマ人に対しても3000万ギルダーを補償する。
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