投稿者 SP' 日時 2000 年 7 月 17 日 17:38:37:
●超時空ミラクル対談/第2回
東西ヨーロッパを軸に、最近の世界情勢の変化はめまぐるしい。1990年初頭、移りゆく時代の潮流を探るため、そしてUFO、宇宙人、科学、霊など、今、私たちが直面している問題の核心を明確にし、将来への道を開くため、矢追純一さんと永井豪さんに思う存分、意見を闘わせていただいた。
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MU ソ連のペレストロイカ(改革)やグラスノスチ(情報公開)、東欧の政治改革、マルタ会談など、去年から時代の流れが大きく変わりはじめました。そこで、私たちの日常感覚や意識の面で、捉えなおさなければならない問題をピックアップして、お話をうかがっていきたいと思います。
矢追先生は最近モスクワに行かれたそうですが、現地の感触はいかがでしたか。
矢追 宇宙人の着陸事件は、ずいぶん前から、あちこちにあったらしいですね。ただ、マルタ会談直前の時期に、しかもタス通信という世界のニュース・ネットワークにUFO情報を流したという点に、意図的なものを感じます。
永井 それは僕も同感です。米ソで情報のキャッチボールをしながら公開しているんじゃないですか。とくに、今までひた隠しにしていたアメリカから情報がもれてくるのが興味深いですよ。
矢追 確かにコントロールされている感じがあります。
永井 米ソと宇宙人の間でどんな密約があったのかわかりませんが、最初は得だと思ってコンタクトしていて、そのうち宇宙人とは相いれないものが出てきた。で、目撃者をある程度泳がせて、情報がもれるように計算したんじゃないかな。
矢追 確かに、情報の真偽とかコントロールの如何とか、私たちには納得できないことばかりともいえますね。
永井 勝手な推測ですが、宇宙人のことを隠したままでは地球があぶなくなる、と考えるようになったのかもしれません。それを米ソで話し合ったら、実はウチもそうだ、と。それで、情報を出すようになったという線もありますよ。
矢追 ええ。今、アメリカとソ連が情報を公開し、イギリスは4年前から、フランスはその前からUFOのPR機関をつくって情報を流しているわけです。4大国が裏でつながっていることは確実ですよ。
永井 そうですよね。
矢追 4大国がつながったのは1961年からだと、僕は踏んでます。
永井 そんなに前からですか!?
矢追 ええ。ですから、ケネディ大統領が宇宙開発に乗りだしたのも、月の開発をやめたのも、決して偶然じゃないんです。大国同士の決定を実行したと考えていいと思いますよ。
永井 やっぱりね。
矢追 第一、いくら国威のためでも、あんなに莫大な国家予算をつぎ込むのはおかしいですよ。しかもそれだけ先行投資しておいて、金がかかるからやめるというのも腑に落ちない。
永井 実はもっといろいろな情報があるのに、出さないだけなんですよ、きっと。
MU ところで、永井先生はUFOをビデオで撮影なさったそうですね。
永井 ええ。テレビでも放映されました。
矢追 すごいですよ。UFOが現れたり消えたりしますから。
MU 実際にご覧になったことは?
永井 1回だけ。10年前、SF作家クラブで熱海に旅行したときに見ました。海岸沿いをバスで走っていたら、海の上空を1センチくらいの光の玉が、バスと平行して飛んでいたんです。
矢追 それは永井さんだけが目撃したのですか。
永井 いいえ、20人くらいだったかな、バスに乗っていた全員が見ました。ただ、SF作家が見たんじゃ、あまりにもできすぎだから(笑)、いわないほうがいいと小松左京氏がいいまして、それだけで終わりました。
矢追 惜しいですね(笑)。
永井 それから、僕は夢でひんぱんにUFOを見るんです。ついこの間も、夜空の星がパァーッと僕に向かって飛んできて、次に土星が飛んでくる。すると、それは巨大なUFOだったりする。そんな夢です。
矢追 それは、チャネリングの世界じゃないですか。
永井 横尾忠則さんが前号のこの対談で、夢の中で宇宙人から器具を埋め込まれたといっていますよね。
矢追 ええ。
永井 僕にも埋め込みにきてくれないかな、なんて思ってるんですよ。いいなあ、なんて。
矢追 いや、もう埋め込まれているかも(笑)。
永井 あれっ、そうかなあ(笑)。
矢追 だから、さっきの夢も実は夢じゃなくて、埋め込まれた器具から投影された映像かもしれない。すでにエデュケーション(教育)・プログラムがセットされていて、向こうがやらせたいことを指示している可能性だってありますよ。
永井 うーむ、それは怖いな。
MU 宇宙人の種類に関していろいろいわれていますが、そのあたりはいかがでしょう。
矢追 基本的には多くの宇宙人が来ているに違いないから、それこそ姿、形は千差万別じゃないのかな。
永井 ダイレクトに宇宙人とコンタクトしている人は、その宇宙人しかいないと思い込んでしまうのかもしれませんね。
矢追 地球にさまざまな肌の色の人がいるように、宇宙人も決して1タイプじゃないでしょうね。むしろ千単位の可能性だってあるわけです。
永井 思想や文化、体のつくりがまったく違う宇宙人だって考えられます。目の構造が違えば、色彩も、見える世界も異なってくるはずで、当然、その性格も私たちとは極端に違うケースが考えられるわけです。
矢追 そのとおりですね。
永井 たとえば、昆虫から進化した宇宙人だっているかもしれない。昆虫の世界は何の感情もないといいますから、人間の感覚からすれば恐ろしい宇宙人もいるかもしれない。
矢追 不思議はありません。
永井 テレパシーだけで通信する宇宙人に関しては、どうも霊的な感じがするんです。肉体がない異次元の宇宙人もいるでしょうね。
矢追 チャネラーがチャネリングする相手は、ほとんど霊的存在といっていいでしょう。
永井 先日、僕は、イギリスのマーガレットさんというチャネラーに見ていただいたんです。
矢追 僕も見てもらいました。
永井 いきなり、「あなたは前世の記憶を持ちながら転生している人だ、異次元を見ることができる人だ」といわれまして、本当にびっくりしました。
矢追 思い当たり
ましたか。
永井 まったくそのとおり、というか、僕は漫画を描くときにパッとそのシーンが見えてくるんです。変なものが見えたから、それを描いてみよう、と。
矢追 とすると、だいぶグロテスクなものを見てますね(笑)。
永井 一瞬に見える。ですから、自分でクリエイトしているつもりでも、実はそれを写しているだけなのかな、なんていう疑問も出てきます(笑)。いや、実際そうなのかもしれない。
矢追 クリエイティブな人や発明家など、みんなそうですよ。
MU 価値観が逆転しそうですね。
矢追 逆転すべきです。もののパラダイム(規範)が違っているんですよ。僕も本を書くときは自動書記みたいになりますから。講演でも、どこかのだれかが僕をしゃべらせている感じがします。
永井 マーガレットさんによれば、僕の前世は14世紀にいたオーストリアの牧師だったそうです。で、そう告げられた瞬間に、その牧師の姿が見えるんです。だから否定できない。
矢追 どんな姿でしたか。
永井 細長い顔にわし鼻で、丘に向かって歩いていました。それで「あなたは自殺した」とマーガレットさんがいうんです。
矢追 牧師で自殺ですか!?
永井 ええ。と、その瞬間に首吊りをした高い木と、その向こうに広がる青空が見えた。
矢追 怖い話ですね。
永井 過去や未来に細胞を飛ばして状況を見てしまう、ともマーガレットさんにいわれたんですが、そのとおりなんです。
矢追 自殺の原因は何でしたか。
永井 それ以上はいってくれませんでした。でも、14世紀のオーストリアは魔女狩りの真っ最中でしたから、僕の前世の牧師は狩る側にいたわけです。それでいながら疑問を持ち、そのジレンマで自殺したんだと思います。本当の自分の心をいえなかった気の弱い男が、転生して今、叫んでいるんですよ。
矢追 今の時代に噴出した、と。
永井 ええ。『デビルマン』では、何の理由もないのに魔女狩りの話になってしまったんですが、前世が関係していたんですね。転生は年代的に同じリズムでするらしいから、あの年代の多くの人が今、転生してきて『デビルマン』を支持してくれたんじゃないでしょうか。
MU 私もすごく好きです。
矢追 あなたも狩られたほうだったかもしれないね(笑)。
永井 いやあ、僕はマーガレットさんに悲惨な前世ばかりを教えてもらいまして(笑)。「別の前世で、寝首かかれて殺されているから、夜中に1回目が覚めるはず」といわれました。
矢追 夜中に起きるんですか。
永井 そうなんです。必ず1回。子供のころから悲鳴あげて飛び起きたりしてました。前世の記憶が残っているかららしいです。インナースペース(内宇宙)に入って描いた『手天童子』も、寝首の話があるし……。
MU 最初は学園ドラマでしたよね。
永井 トランス状態で描いてましたから、意図していない方向にいくんです。ゲラ(校正刷り)が出てきてビックリ。このセリフはいったいだれが書いたんだって(笑)。僕の思考では考えられない内容なんです。
矢追 ああ、それは僕もよくあります。ゲラを読んで、上手いこと書くなあ、と(笑)。
永井 矢追さんはマーガレットさんにみてもらってどうでしたか。
矢追 前世のことはあまり詳しくいってくれなかったけど、ウォーリアーズ(戦士、先遣隊)だから後ろを振り向いてはいけない、人が行かないところを切り開いていくべきだといわれました。それから楽しむために今の時代にやってきたんだから、楽しいことだけをやってなさいとも。
永井 いいなあ。僕は悲惨な人生を描かなくちゃいけない。
MU 永井先生の漫画は妙にリアリティがあると感じていましたが、そういうわけだったのですか。
永井 完全なデッチアゲは面白くありませんね。何か根拠があるから、引き込まれるわけです。
矢追 それを見抜く第六感は、意識しないまでもみんな持っていますよ。
永井 鬼や竜の妖怪伝承の類いにしても、何かしら元になるものはあったはずです。
矢追 竜は葉巻形のUFOだという人もいますね。
永井 超能力者が見ると、霊界のある種のエネルギーのうねりが竜体のように見えるらしいですよ。
矢追 恐竜の進化したのが鳥ですから。その進化の途中でペガサスがいたかもしれない。
永井 僕の夢の中にペガサスが出てくるんです。羽をはばたかせた白馬が、大空をパァーッと飛ぶ。本当にきれいです。それで、夢の中で「ペガサスだ、やっぱりいたゼ!」と叫んでいるんです(笑)。
矢追 もしかしたら鬼も宇宙人だったのかもしれない。去年、大騒ぎしたソ連の宇宙人でも、3つ目で3メートルもあって人間とあまりにも違うから、昔の人には「鬼」に見えたでしょうね。
永井 宇宙人の概念がないから、鬼という言葉で表現したんじゃないでしょうか。3つ目伝説も根深くありますし。
矢追 ソ連の宇宙人を目撃した子供の話によれば、3つとも赤いライトのようで、真ん中の目には格子があったそうです。
永井 2本の蛇が左右から絡みついているアステカの有名な像がありますけど、実は宇宙服のパイプを蛇といったとも考えられます。表現方法がなければ、自分の理解しやすい観念でものを見ますから。
矢追 座敷わらしは小型宇宙人ともいえますね。
永井 「狸囃子」もUFOのエンジン音かもしれない。機械的なエンジン音を聞いたことがなくて、「囃子」という言葉でいったのかもしれない。今ならロックでしょうけど。それで、人間じゃないから「狸」になった。分福茶釜もきっと小型UFOですよ。
矢追 「江戸城の本丸の庭に肉人現る」という記録が残っているんです。追いかけて天守閣付近で逃がしてしまいますが、これも宇宙人でしょう。面白いのは、家老が「あれを殿に献上すれば、不老長寿の薬になったかも」と書いているんです(笑)。
永井 人間はたくましい(笑)。
MU 永井先生は心霊体験もおありだとうかがっていますが。
永井 バンバン見てます。半覚醒状態のとき、自分もある程度霊体になると、映像で霊が見えます。鬼が実際に見えるから、それを漫画に描くんです。
矢追 実益を兼ねていいですね(笑)。
永井<
/b> まあ、僕が漫画を描くのは、異次元を確認しているんです。描いて吐きださないと気が変になりそうで。自分の魂を慰めるために描いているんでしょうね。
矢追 僕は霊にはお目にかからないけど、いやな所はわかるから避けます。ただいえるのは、目に見えないもののほうに真実がある、目に見えるものは結果でしかないから、たいしたことはないということです。だから、世の中で大変なことはほとんどない。だいたい僕がUFOを研究している動機は、ときどき立ち止まって空を見ようということなんです。
永井 視点を変えればいいんですね。
矢追 そうです。自然環境に沿った素直な生き方をすればいいんです。動植物のように。46億年も地球が回ってきた摂理、つまり大きなプログラムがあるわけで、その法則にのっとった自然な生き方をすればいいんです。それなのに、科学でどうにでもなると勘違いしたところに大きな誤りがある。
永井 科学を信奉してバラ色の未来を志向してきても、待っていたのは人類滅亡の危機だった。そんな将来への疑問を、現代の若者は感じていますよね。だから、従来の科学一辺倒じゃなく、霊的なものや宇宙人とコンタクトしたいという若者が続々出てきた。それで「ムー」がここまで伸びたんでしょう。
矢追 確かに若い人の感性はすごい。この動きは、世界がすさまじく変化する前兆です。今のパラダイムそのものが存続するのは、長くてもあと10年ですよ。そのきっかけは火山の爆発なのか、原発や病気なのかはわかりませんけれど。
永井 表面には出てきていませんが、今、40代の死亡率が異常に高いんです。人類がたれ流してきた化学物質の毒の影響ですよ。
矢追 昭和34年以前に生まれた人はあと10年! 以後の人は寿命が40歳。人生40年の時代がすぐそこまで来ているんです。
永井 正体不明の宇宙人に救いを求めることはできないけど、地球人に目覚めなさいと警告しているのかもしれない。
矢追 ええ、根底から意識の変革が必要な時期なんです。
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矢追純一VS永井豪。それぞれの分野で一家言を持つ2人は、あたかも旧友であるかのように話し合い、熱のこもった3時間が流れた。
現状のままでは、いずれ人類は滅びる。2人の一致した結論に、私たちはどう対処していけばいいのか。それは、読者ひとりひとりが解決しなければならない問題なのである。