投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 7 月 14 日 16:32:02:
伊豆諸島の三宅島が14日再び噴火したが、この噴火に関係する山頂直下の地震は、ほぼ半日おきに満潮時になると活発化することが、気象庁の観測データで分かった。気象庁や地震・火山の研究者は「見事なリズム」と驚いており、今後の噴火は満潮時に注意する必要があるとしている。専門家の多くは主に月の引力が関係しているのではないかとみている。
満潮時になると地震が頻発し、それ以外の時間はぱたりと少なくなるという、はっきりした関係が現れ始めたのは9日午後10時台。このときの地震は1時間に50回程度だったが、11、12、13日には、1時間に200回以上も起きた。14日も満潮時の午前2時半前から、地震が増え始め、同4時14分に噴火した。
気象庁や火山噴火予知連絡会(会長=井田喜明・東大地震研究所教授)によると、頻発している地震は、山頂直下でマグマが移動したためにできた地下の空洞が崩れるのに伴って起きている。この地震によって、山頂付近で大規模な陥没が起き、大きな土煙が上がったのが、8日と14日の噴火だ。だが、なぜ地震が満潮時になると増えるのかとなると、専門家も首をひねる。
潮の干満は、太陽と月の引力によって起きるが、月の方の影響が大きい。月が頭上に来てまもなく、地球の表面は月の引力で引っ張られる形になり、満潮になる。また、月が地球の反対側にあるときは、地球の遠心力の影響が強く満潮になる。この潮汐(ちょうせき)力によって地球の岩盤も所によっては1日2回、地球の中心からの距離が15センチ程度伸び縮みを繰り返している。
「このちょっとしたひずみの変動が引き金になっているのかも知れない」と科学技術庁防災科学技術研究所の岡田義光・地震調査研究センター長。もろくなった空洞がちょっとした刺激で崩れてしまう、という見方だ。
井田教授はもう少し複雑なメカニズムが働いていると見る。「潮汐力が地下水やマグマに影響して、ガスを発生しやすくするなどして、地下の圧力を変動させ、地震を増減させているのではないか」
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