投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 7 月 11 日 16:18:41:
2000年7月10日 06:00 PM 更新
ニューヨークの集団訴訟弁護士が,「Netscapeは自社のネットワークを介して,ソフトウェアをダウンロードする消費者の個人情報を密かに監視している」と非難している。
法律事務所のAbbey, Gardy & Squitieriは,Netscape Communicationsの「SmartDownload」ソフトウェアが「.exe」や「.zip」ファイルのダウンロードを不法に監視しているとして,親会社のAmerica Online(AOL)をニューヨークの連邦地裁に提訴した。
SmartDownloadは,Netscapeブラウザをダウンロードすると通常インストールされるプログラム。インストールを完了すると,ユーザーがWebからファイルをダウンロードするたびに自動的に起動する。AOLは1998年11月のNetscape買収に伴い,同ソフトウェアも取得した。
この訴訟は集団訴訟として争うことを求めており,原告側代表は,ファイルダウンロードのためのWebサイトを複数運営するChristopher Specht氏が務めている。
訴えによると,SmartDownloadは,ユーザーがWebサイトを訪れてソフトウェアをダウンロードすると,その個人の識別につながる情報を取得し,Netscapeに送り返すようになっているという。
「原告に気付かれないところで,その許可も得ず,被告は原告らのインターネット上での行動をスパイしてきた」。訴状ではこう主張。この行為によってNetscapeは,『どのユーザーが何をダウンロードしたかの一覧を作成することが可能』になると訴えている。
◎裁判に追われるAOL〜AOLから直接コメントを得ることはできなかった。
今回プライバシー侵害の訴えが起こされたことで,ユーザーがダウンロードした情報の内容について調べる権利はだれにあるのかをめぐって,ほかの論争にまで波及する可能性がある。たとえば音楽業界では,著作権付きの音楽を不法にダウンロードしたユーザーの氏名や人数を調べようと躍起になっている。
AOLは現在,複数の集団訴訟を起こされている。フロリダの地裁判事は先日,「ポップアップ広告を強制的に見せられている時間単位契約の加入者に対して,AOLが不法な料金を請求している」と訴えた訴訟について,集団代表訴訟として争うことを承認した。AOLは控訴する意向を表明している。
またフロリダ州タンパの連邦地裁に提訴された別の訴訟では,AOLが一部のユーザーに対して,長距離通話での接続になることを通知せず,市内のアクセス番号の提供も怠ったと主張している。