Tweet |
滋賀報知新聞からの転載
(湖南・栗東町)
栗東町では区長制度のあり方に批判が集まっている。この総選挙で、自民党栗太
支部は、岩永峯一候補選対の各支部長に、各学区の区長を据える異例の態勢づくり
を行った。中立的な立場にあるべき区長が、特定の候補者の選挙活動に奔走するこ
とに「公職選挙法に抵触するのでは。高い報酬を返還すべきだ」といった声すら町
民の間で巻き起こっている。
同町内には現在、百五人の区長がいるが、町では各区長と嘱託契約を結び、広報
紙の配布など行政業務の委託を行っている。いわば区長は、準公務員の立場にある
わけで、この見返りとして町から区長に対し均等割と世帯数割の報酬が毎月支払わ
れている。
ちなみに均等割は一人当たり月額六千六百三十円、世帯数割では一所帯当たり月
百四十二円の報酬。たとえば同町H行政区の世帯数は二千百六十八世帯であり、こ
れに百四十二円をかけると区長報酬は月三十万八千円になる。均等割を加えれば、
月額約三十二万円と一般サラリーマン並みである。
このような区長のうえに、学区(八つ)区長会がある。一学区から正、副二人の
役員が選出され、上部組織の区長連絡協議会に組み込まれる。ちなみに同協議会の
十二年度予算は二千四百九十万円を計上しているが、町は協議会に七百四万円の補
助金を始め、千五百万円の文書配布事業を委託するなど、至れり尽くせりだ。潤沢
な資金を背景に協議会では「指導参事」を設け、町の住民自治課の一角に配置して
いる。