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2000.06.22 Web posted at: 5:46 PM JST (0846 GMT)
英国ソールズベリ(CNN)
英国の古代遺跡ストーンヘンジは謎に包まれている。ぐるりと輪を描く巨石群は、一説には、夏至の太陽の動きに合わせて巨石を配列したものと言われている。遺跡保護のためにぐるりとロープで囲われていたこのストーンヘンジが21日、16年ぶりに一般に開放され、観光客や宗教信者が、夏至の日の出を拝みに集まった。
ストーンヘンジは、英国南部のソールズベリ平原にある約5000年前の巨石建造物。古代に各地で作られたストーン・サークルの代表例とされる。夏至の日に太陽が昇る方向に合わせ、石が円形に並んでいる。このため毎年夏至の朝には、原始宗教ドルイド教の信者らが集まって儀式を行なっていたが、1985年に警察との衝突騒ぎが起きて以来儀式は禁じられた。その後も何度か騒ぎが起きたため、周囲6キロ以内は立ち入り禁止になっていた。
1998年になって、ストーンヘンジを管理する政府外郭団体「イングリッシュ・ヘリテージ」が、夏至の日の出に100人の立ち入りを許可し、再公開へ向けて踏み出した。昨年も、ドルイド教信者150人が儀式のために集まったが、約200人の群集が周囲の柵を押し倒して中に入り会場を占拠。警察と衝突する騒ぎとなり、儀式は中止された。この騒ぎで16人が逮捕された。
今年の一般公開には数千人の来場が見込まれたため、警備員や警察を配置する警戒体制が敷かれたが、結局は大きな混乱もなく、観光客やドルイド信者らが前の晩から泊まりこんで日の出を迎えた。参加者のひとりは、「ドルイド教の信者にとって、ストーンヘンジは一番の聖地。素晴らしい、魔法のような場所だ」と感激の面持ちで語った。
「ストーンヘンジ」が何の目的で、どのように作られたかについては諸説がある。太陽の動きに合わせた配列になっているのは、太陽崇拝の文化の現れだとする説のほか、巨大な暦として使われたという説や、ドルイド教の寺院だったとの説もある。