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西鉄高速バス乗っ取り事件で、厚生省は二十二日、事件を起こした少年(17)が入院していた佐賀県内の国立肥前療養所と同県の対応について、「法律的な手続きや、入院中の少年に対する処遇は適正に行われた」とする見解を、同省の公衆衛生審議会・精神保健福祉部会に報告した。
今月十九日に同省職員と専門医のチームが、療養所と県から事情聴取した結果に基づくものだが、議論の的になっている外泊許可の妥当性については、「経過が良好だったため」と述べるにとどまっている。
報告によると、少年の入院は三月四日に母親から電話で要請があり、翌五日の診察で、本人は同意しないものの両親の同意に基づく「医療保護入院」となった。入院二日後、少年は県の担当者に電話で退院を請求。精神医療審査会が四月二十日に書面審査し、五月十一日に入院継続が妥当かを判断する面接調査を行う予定だったが、同月三日の外泊日に事件を起こした。
報告では、入院中の少年の状況について、当初は家族への暴言がみられたが、その後穏やかで問題なく過ごしたため、家族との面会を頻回に行ったとしている。外泊許可については「経過が良好だったため」とした。同省は「診療内容にかかわることを行政が判断するのは適当でない」と説明している。