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6月13日〜15日の南北首脳会談は成功裏に終
了した、と一般的には伝えられている。朝鮮
半島分断後55年にして初めて、韓国の金大中
(キムデジュン)大統領が北朝鮮(朝鮮民主
主義人民共和国)の金正日(キムジョンイ
ル)総書記兼国防委員長を平壌(ピョンヤ
ン)に訪ね、共同宣言にも署名、発表したと
あれば大きな成果には違いない。
しかし、この「美談」視される会談が日本に
及ぼす深刻な影響について言及した報道はほ
とんど見られない。国際政治の世界では、こ
とは「美談」では終わらないのである。朝鮮
半島情勢に詳しい下田氏に会談の裏側に潜む
ものを解説してもらった。
――日本にはどんな影響がでるのでしょうか?
今回の会談で日本は外交的なアクションを起こしにくくなりました。日朝交渉は北朝鮮
のペースで進められることになりそうです。南北会談の報道のされ方を見ていると、テ
ロや麻薬、拉致疑惑はどこかに吹っ飛んでしまい、金正日に免罪符を与えているかのよ
うです。外交交渉はやりにくくなるでしょうね。「韓国がこれだけやってくれたのだか
ら日本も」となることは目に見えています。北朝鮮だけならまだしも、南とジョイント
して日本に対する賠償請求などが起こる可能性がある。
韓国側の熱狂的な会談への対応ぶりは、ち
ょっとしたきっかけで反日となるやもしれ
ません。朝鮮戦争の分け前によって日本は
復興した、という意識が根底にはあります
から。南北が統一するための資金は日本が
出すべきである、破産寸前まで出してもお
かしくはないだろうと考えています。
――会談のシナリオは誰が描いたのでしょうか?
北朝鮮・金正日の仕掛けに韓国・金大中が乗ったわけです。統一という「錦の御旗」を
与えることで、ほころびかけてきた金大中政権に助け舟を出し、貸しを作ったのです。
金大中による情実人事で、官僚の50%を全人口4700万人のうち500万人にしか過ぎな
い全羅道出身者が占めています。国税庁の幹部に至っては71%が全羅道出身者です。査
察という武器で民間企業にも大きな影響力を行使しています。当然、不満が渦巻いてい
ます。大統領任期は5年ですから、まだ半分残っていますが、政権後半になればスキャン
ダルが露呈してくるものです。そこに願ってもない「統一カード」を差し出されたわけ
です。
さらに金大中は反米家であり、反米発言を繰り返してきました。極端なことをいえば、
在韓米軍撤退ということまでありえます。
軍事情報筋によると、金大中政権になってから仮想敵国として日本のランクが急上昇、
最大の仮想敵国とみなされるようになりました。国防の敵愾心は北朝鮮ではなく日本に
向いているのです。
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なんかあやしいっす (^^;>下田耕司(元韓国国防大学講師)