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アインシュタインが予言した、極低温の原子の群れでみられる凝縮現象が磁気の波でも起こることを、東京工業大の田中秀数(物性実験)、押川正毅(物性理論)両助教授らのグループが世界で初めて確かめた。最近注目を集める低温での量子力学現象が幅広く起こることを示した。19日付の米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズに発表する。
これは「ボース・アインシュタイン(BE)凝縮」という現象。極低温で粒子の群れが1つの状態にひしめいて、1つの粒子のように振る舞う。液体ヘリウムで確認されていたが、95年、ルビジウムの原子で人工的につくり出された。
田中さんらは独自に合成したタリウム銅塩化物に磁場をかけた。こうした物質中では磁気の乱れが波として伝わるが、その様子は粒子の振る舞いとみなせる。温度による磁気の変化をみるなどして、この「粒子もどき」が極低温でBE凝縮を起こしたのを確かめた。
(08:52)