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【ワシントン16日=土井達士】
米オンライン通信最大手のアメリカ・オンライン(AOL)は十六日、同社の社内ネットワークにハッカーが侵入し、加入者の個人情報が不正に閲覧されていたことを明らかにした。
全世界で二千万人以上が加入し、安全対策でも他のインターネット接続業者(ISP)より優れているとされるAOLがハッカーの被害に遭ったことで、ネット上の安全対策についての議論が一段と高まることは必至になっている。
ハッカーの侵入は、AOLに対して批判的な活動を行っている米国のウェブサイト二カ所が同日、実際に侵入したハッカーの話などとして具体的な方法などを掲載したことで表面化した。
それによると、AOLの加入者データベースは通常、強固なファイアーウオール(侵入阻止ハード・ソフト)に守られて外部からのアクセスが不可能なうえ、同社の従業員でも職務によって閲覧できる情報は限定されているが、ハッカーは従業員のIDとパスワードを取得。
そのうえで、表面的には何の働きもしないものの、隠れて情報を発信する「トロイの木馬」と呼ばれる種類のウイルスを社内のコンピューターにメールで送り、数百人分の個人情報閲覧に成功したという。
これに対し、AOLは「少数の加入者情報が不正に閲覧された」事実を確認したものの、被害に遭った加入者の数などは明らかにしていない。