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昨年九月の東海村臨界事故を受けて自衛隊に「原子力災害派遣」任務が新たに加わり、防衛庁は十六日までに陸上自衛隊の化学防護車に「中性子線遮へい板」を配備した。原子力災害対策特別措置法の施行に伴う措置。
従来の化学防護車は化学兵器や核兵器による攻撃を受けた被災地での活動を想定、ガンマ線などには対処できたが、臨界事故で発生する中性子線には全く無防備だった。
水素原子を多く含む特殊素材を何重にも張り合わせた「遮へい板」は重さ約一トンで着脱可能。中性子線を完全にブロックすることはできないが、化学防護車の前面と座席後部に取り付けることで「計算上は被ばく線量を五分の一程度に軽減できる」(同庁装備局)という。
同庁は現有の化学防護車二十数台をすべて改造し、遮へい板を配備。原発事故などの際に、専門家による放射線量の測定を支援したり、避難民輸送などに役立てる。