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毎日
2000年6月15日
企業脅迫:
参天製薬に2000万円要求 目薬全品回収へ
製薬大手の「参天製薬」(森田隆和社長、本社・大阪市東淀川区)に「現金2000万円を用意しろ。金を出さなければ目薬に異物を混入して店頭に置く」との脅迫状が届いていたことが15日、分かった。同社製の目薬1瓶が同封され、大阪府警捜査1課と東淀川署の調べで、揮発性油が混入されていたことが判明。同課などは恐喝未遂事件として捜査を始めた。会社側は同日夜、記者会見し、「使うと目に炎症を起こす恐れがある」として、全国約7万の薬局・薬店で販売されている一般用目薬24品目約250万個の全品を16日までに回収すると発表した。
調べなどでは、脅迫文入りの封筒は14日朝、本社近くの郵便局に社員が郵便物を取りに行って見つけた。社長あてで大阪市内の消印。封筒の裏側に送り主の住所と名前が記されていたが、実在するかどうかは不明。
脅迫状は2枚で、「応じない場合は異物を混入した目薬数十本をばらまく」と脅迫。同社に対する恨みなどの文言はなく、現金授受の方法が記されていたが動きはなかったという。同封されていたのは同社製品の「サンテ40ハイ」で、中の液体が2層に分離していたため、肉眼で異物の混入がすぐに分かったという。
同社は、販売店の在庫品についても10日間で回収するとしている。また、包装を一度破るとすぐ分かるようにする混入防止措置を取ることにしており、措置が完了して再び店頭に商品が並ぶまで同社製の目薬を購入しないよう呼びかけている。約2週間かかる見通し。医師の処方による点眼液については影響はない。
問い合わせは同社の「お客様相談室」(06・6321・8950か0120・127・023、午前9時から午後8時まで)で受け付ける。 【栗田慎一、山本直】