Tweet |
2000年6月14日(水) 13時43分
<ネット政治活動>8割が公示後HP利用解禁を 候補者
にアンケ(毎日新聞)
ホームページや電子メールを活用した政治活動が広がりをみせている。衆院選候補者たちの「デジタル度」を計る意味を込めて、毎日新聞社は、メールアドレスを公表している候補361人を対象に、メール・アンケートを実施した。回答者の8割が、現在は認められていない公示後のホームページ利用の解禁を支持した。一方で、回収率は約25パーセントにとどまり、実際のデジタル化は今ひとつ進んでいないこともうかがわせた。。
アンケートは、政治広報センター(東京都港区)の協力で候補者361人のメーリングリストを作成、公示直前に一斉に質問メールで送信した。インターネット利用の選挙活動▽投票率予想▽メール利用のアンケートの是非などを聞いた。自民19▽公明8▽保守1▽民主51▽自由3▽社民5▽自由連合1▽無所属4の計92人から回答があった。
自治省は公示後のホームページ更新は、公職選挙法違反の文書図画の掲示にあたる可能性があると指摘。各候補は公示後のホームページを凍結している。
ホームページの選挙運動への利用は「これほど金がかからずクリーンな運動方法はない」「有権者と候補者の双方向性があり、両者の接点となる」などと、8割にあたる76人(83パーセント)が解禁を支持した。
一方、「ネガティブ・キャンペーンによる不正確な情報が出る」などと慎重な声も、自民、公明両党の候補中心にあった。積極推進派の中にも「アニメの製作など極端にホームページに金をかけるケースが考えられる。経費公開を義務づけるべきだ」(近畿地区自民新人)との意見もあった。
選挙への関心については、65人が「比較的高く、投票率は前回より上がる」と分析。「下がる」と回答したのは4人にとどまり、2人が「前回並み」、21人が「不明」とした。
衆院は1997年10月に議員会館内の各議員の部屋にノート型パソコンを配備し、多くの議員がホームページの投書コーナーとしてメールアドレスを公開した。しかし、その後はデジタル化が進まず、議員会館のパソコンでしかメールを読まないケースが多く、今月2日の衆院解散で地元に帰ると、議員会館の事務所とともにアドレスも「閉鎖」されてしまうようだ。
アンケートに回答しない理由も「殺人的な忙しさで、メールを見に議員会館まで戻るような余裕はない」(南関東の自民前職議員の事務所員)▽「パソコンに詳しい秘書がおらず、先週ホームページから(前所属の)『新進党』の文字を消したばかり。アンケートも見ていれば回答した」(東海地区の民主前職議員の秘書)といった釈明が目立った。 【竹中 拓実】
[毎日新聞6月14日] ( 2000-06-14-13:23 )