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犯罪報道が犯罪を誘発してはいないか?
●凶悪犯罪が起こるたびごとに気になっていることだが、新聞を読んでいると犯罪の手口がかなり詳細に紹介されているのである。 私がこうした“犯罪報道”のありかたに疑問を持ったのはオウム騒動の時からで、特に新宿駅の「青酸ガス発生未遂」事件の時には、スポーツ新聞が“青酸ガス発生装置”のイラストをでかでかと載せていた。 おいおい、そんなイラスト必要あるのかよ? こんなもの載せたら工作好きの青少年を刺激しちまうじゃないか、と感じたものだった。
●十年くらい前に『人生で必要なものは××でぜんぶ学んだ』といったタイトルのビジネス指南書が評判になったことがある。 (××と書いたのは、単にど忘れしてしまったからです。) これに倣[なら]って言えば、「犯罪に必要なものはぜんぶ新聞で学んだ」と言えるほど、現在の新聞は、犯罪手口の潜在的な宝庫になっていると言えるんじゃないか?
●たとえば最新の凶悪事件についての各紙の報道。 札幌の「YOSAKOI(よさこい)ソーラン祭り」で起きた爆発傷害事件だが、その報道にだって「バクダンまがい」の凶器を作るヒントが満載されている。 この種の事件は、模倣犯を生み出す危険性が高い。 夏は大勢の人が集まる催事が全国各地で目白押しなのだ。 暴走族じゃないけれども、大勢の人のまえで派手な騒ぎを起こしたくなる輩[やから]だって、いるに違いない。 新聞は、犯罪の教材にもなりうることを心すべきではないか……。
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●毎日新聞
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/800751/8eD96y-0-3.html
ごみ爆発:
火薬類にクギ仕込む 無差別犯行狙い 札幌
2000.06.12
札幌市中央区大通西6の大通公園で10日夜、紙袋に入ったごみが爆発し、「YOSAKOIソーラン祭り」のスタッフ10人が重軽傷を負った事件で、道警捜査1課と札幌中央署は何者かが火薬類にクギを仕込んだ爆発物を同祭り会場に仕掛け、参加者や観客らを無差別に狙ったとみて、殺人未遂容疑で捜査本部を設置した。(中略) 刺さったクギは長さ4〜5センチで、現場でも破片を含むクギ十数本が見つかった。クギは四方に飛び散っており、現場から最大約50メートル離れた地点でも発見された。爆発当時、近くにいた人が火薬のようなにおいをかいでいるほか、白い煙が上がったという。(中略) 爆発したごみは大通西7の大通公園内にある灰皿の上にあったとみられる。
一方、同祭り組織委員会の杉岡幸三郎委員長によると、同祭りのホームページの掲示板に「祭りを中止させるには爆破予告すればいい」という内容の書き込みがあった。同様の書き込みは祭り開幕の7日から10日までの間に3〜4件あった。いずれも別の人物から送られてきたとみられ、捜査本部で爆破事件との関連を調べている。(以下略)
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●朝日新聞(北海道版)
http://hokkaido.asahi.com/news01.html
金属棒に複数の形状
札幌市中央区大通西6丁目の大通公園で10日夜、「YOSAKOIソーラン祭り」会場のごみ集積所前で爆発が起き、10人が重軽傷を負った事件で、凶器とみられるくぎのような金属棒は、複数の種類の形状があることが12日までに、札幌中央署の捜査本部の調べで分かった。同本部は、爆発物は事件直前に大通西7丁目の公衆灰皿の上から回収された外食店の紙コップとの見方を強めている。
調べでは、金属棒は計十数本が発見された。被害者の体内からは長さ約5センチの物が1本見つかったが、それとは形や長さが違う複数の種類が現場周辺で見つかったという。金属棒は汚れていたものもあったらしく、何が付着していたかなども含め、科学捜査研究所で詳しく調べている。
捜査本部が、祭りスタッフの証言などから爆発物との見方を強めているのは、爆発現場から直線で約70メートルほど離れた大通西7丁目の公衆用灰皿の上から回収された外食店の紙コップ。この灰皿は大通公園の北側に設置されており、紙コップは回収の直前に置かれたものらしい。ふたがかぶせられていて、大きさの割には重たかったらしい。現場からは瓶とみられるガラス片や紙片が見つかっており、関連を調べている。
慰留物や現場からは、火薬の成分が検出されていることも新たに分かった。ただ、爆発物に一番近くにいて重体になった人も、傷口は金属棒で傷つけられた1カ所だけで、やけどや衣類が焼けた跡はなかった。それらのことから、爆発物は高熱を発生させるものではなく、爆風を主体とする種類である可能性が高いとみられている。
捜査本部は数種類の爆発物を想定し、特定を急いでいる。その中には、知識が少しあれば簡単に作れる物も含まれているという。 (以下略)
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●共同通信
http://www.kyodo.co.jp/
火薬にくぎをまぜて使用か=HPに祭り攻撃の文章も
2000-06-12 18:51
「YOSAKOIソーラン祭り」会場になっていた札幌市・大通公園のごみ置き場で、ごみの内容物が爆発、(中略)10人が重軽傷を負った事件で、犯人は花火などに使われる火薬にくぎをまぜて爆発させた可能性が高いことが12日、札幌・中央署の捜査本部の調べで分かった。捜査本部では、同祭りを攻撃する文章が多数書き込まれたインターネットのホームページを確認。中には「よさこいを中止に追い込むにはただ一つ メイン会場に爆破予告をかけるしかない。ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」(原文のまま)との文章もあり、犯行声明の有無などについても調べている。