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2000.06.12 Web posted at: 6:52 AM JST (2152 GMT)
アトランタ（ＡＰ）
黒人解放運動のカリスマ的指導者で、１９６８年に暗殺されたマーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の遺族らは９日、「暗殺に関する共謀関係はなかった」という米司法省の発表を受け、｢司法省の発表には遺憾｣とする声明を発表した。
キング牧師の息子、マーチン・ルーサー・キング３世は記者会見で、｢父の暗殺にかかわる共謀はこれ以上追及しない｣としながらも、｢政治的な機密事項にかかわる状況下で、政府に調査ができるとは考えていなかった｣と語り、独立した捜査を望んでいたと話した。さらにキング牧師の遺族は、メンフィスのカフェ経営者、故ロイド・ジョワース氏と政府機関らが、キング牧師の暗殺を共謀した、とするメンフィス陪審員の決定を支持する、と語った。
キング牧師の暗殺については、｢ラオル｣と呼ばれた謎の人物や米国政府、警察または黒人の手先が、事件後逮捕されて９８年に獄中死したジェームス・アール・レイ元受刑者に殺人を依頼した、という説がある。過去に、ジョワース氏のほか、ドナルド・ウイルソン元ＦＢＩ捜査官、レイ元受刑者本人も、同様の主張をしてきた。
しかし、今回の調査では十分な証拠が見つからず、司法省はこれ以上の捜査の必要はないと発表。｢陰謀の疑惑にも一理あるが、それ以上に今回の決定には自信がある｣と、調査の責任者、司法省のバリー・コワルスキー検事は語った。
これに対し、レイ元受刑者の家族、ジェリーさんは｢米国国民とキング牧師の遺族は、レイは無実だと信じている。政治家が何と言おうと関係ない｣と述べた。
レイ元受刑者はキング牧師を殺害したとして、１９６９年に有罪判決を受けたが、その３日後から１９９８年に刑務所で死亡するまで、自分は殺人を依頼されたと主張していた。しかし、今回の司法省の報告書ではこの件について触れていなかった。
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