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『現代』2000年7月号(講談社)
読者と編集者のページ 「ロビー」336頁
四月に実施された韓国総選挙で市民団体が不適格候補をリストアップする「落選運動」が登場し、そのリストに挙がった候補の多くが落選した。これにならって、日本でも有効な市民運動の手だては何かないものだろうか。
選挙のたびに叫ばれる「出たい人より、出したい人」というスローガンは聞き飽きた。これからは「出たい人より、落したい人」に投票できるようにしたい。
貴重な一票。出したい人に投票するのは大いに結構。だが、そんな人が見当たらない場合は棄権するしかない。それでは棄権者達の民意は全く反映されないことになる。
出したい人はいないが、たたき落としたい人ならいると言う考えもある。このために一票を有意義に使えるように、減票の権利を持つマイナス投票を実施してみてはどうか。当選させたい立候補者がいない有権者は投票用紙に落選させたい立候補者の名前を書いて投票するのだ。その投票を「マイナス投票」として有効な投票と数える。そして得票数からマイナス投票分を差し引いて集計するのだ。「失言」を繰り返したり私腹を肥やしたりして有権者の気持ちを考えない不誠実な政治家が落選する確率は高くなる。
がぜん選挙に活気が出てくると思う。