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【4】特報・遠隔操作:
携帯がリモコンに ネット利用で 東電が開発
2000.06.02
ビルの空調管理から家庭内の家電利用まで遠隔操作で――。東京電力は1日までに、オフィスビル内の電源の操作や空調、安全監視などをインターネットを通じてビルの外からでも行えるシステムを開発した。世界で初めてという。このシステムを活用すれば、将来は、携帯電話やパソコンを使って離れたところからでも自宅内のビデオ予約や電灯の点滅、エアコンの作動などが可能になる。
東電はこのシステムをビル管理会社などに販売する一方、自らビルの保守・管理を代行したり、電気の使用状況を点検して省エネのコンサルティングを行うなど、新たなサービスを展開する方針。
これまでも、電源や空調などの遠隔操作は可能だったが、1件ずつ専用線を引かなければならず、コストがかかった。東電が今回、コンピューターシステム会社「アクセス」と共同で開発した「グローブウェア」は、インターネットを活用するため安く済み、ビル管理や省エネ診断など、多種複数の遠隔操作を一括して処理できる。
ビル管理では、地下駐車場の空気清浄用ファンを必要な時だけ外部から作動させることが可能で、省エネ効果が見込める。
家庭向けには、遠隔操作を可能にするための携帯電話や家電の開発も進められており、こうした環境が整えば、留守中でも携帯電話からエアコンのスイッチを入れたり電灯をつけたりすることが可能だ。
東電は今秋にも、スーパーマーケットやファミリーレストランなどを対象に、自家発電業務の代行サービスを行う子会社のマイエナジーがこのシステムを使った遠隔操作による自家発電管理・運営を開始する。その後、ビル管理や家庭向けに拡大していく方針だ。
【福本 容子】