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「RCCの取り立て過酷」、札幌の弁護士ら支援組織 「誤解多い」とRCC反論
整理回収機構(RCC)の債権回収手法が厳しすぎるなどとして、札幌弁護
士会の弁護士が「対RCC経験交流会」を結成し、中小・零細企業の経営者や
個人の債務者を支援する活動を進めていることが三日までに分かった。今後、
弁護団をつくって法廷でも争う方針で、協力の意思を示している弁護士は約四
十人に上る。組織としてRCCに対抗するのは全国で初めて。これに対し、R
CC側は「適正な回収を行っている」などと全面的に反論しており、論議を呼
びそうだ。
同会は、札幌の村松弘康、中山博之、三木明の三弁護士が呼び掛け人となっ
て二月に結成された。三弁護士は「RCCの過酷な取り立てで、まだ生き延び
られる企業が破産に追い込まれるケースも多く、本道経済への悪影響も懸念さ
れる」と結成理由を語る。
RCCの債権回収の問題点として指摘しているのは1)わずかな資産でも返
済に充てるよう要求し、容赦がない2)債務者が旧拓銀など融資を受けた金融
機関と合意していた信頼関係に基づく返済猶予などの事情を無視し、無理な一
括返済などを求めてくる3)丸井今井などに対して行った債務減免を、中小・
零細企業や個人など弱小債務者にはほとんど認めない―など。
現在、十人前後の弁護士がRCCの取り立ての問題点などを研究しているほ
か、札幌弁護士会の弁護士四十人以上が協力を表明。同弁護士会の弁護士を対
象に実施したアンケート調査では、RCCの取り立てについて「問題あり」と
される事例が五十件以上集まっており、道内で続発しているRCC関連の民事
訴訟で、近く弁護団を結成することも決まった。
一日には経験交流会の弁護士らが、RCC札幌支店の求めに応じ、同支店顧
問の藤本昭夫弁護士らと話し合ったが、双方の主張の溝は埋まっていないとい
う。
今後は七月一日に、専用電話を設置し、RCCの債務者を対象にした電話相
談会を実施する予定だ。
これに対し、RCCの尾崎純理専務らは「当社は金融機関ではないので、一
般の債務者が考えるより回収のハードルは高いかもしれない。だが、拓銀破た
んなど北海道の特殊事情や、個々の債務者の状況に配慮し柔軟な回収をしてき
た。返済に誠意を見せている債務者を(厳しい取り立てで)つぶした例はなく、
経験交流会の主張には誤解に基づく点が多い。資産隠しなどをする悪質な債務
者もおり、筋を通した回収が必要だ」と反論。「今後も経験交流会と話し合い、
誤解を解いて行きたい」としている。(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/News/general/0030/0030.head.shtml