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「2年後、経営軌道に」投資組合、生保と新たな協力関係
経営破たんした第二地方銀行、幸福銀行(本店・大阪市)の受け皿となる新銀行の設立・運営で、中心的な役割を担うことになった米ロスチャイルド社元幹部のウィルバー・ロス・ジュニア氏は三日までに、産経新聞との電話インタビューに応じた。ロス氏は投資事業組合「関西さわやかパートナーズ(仮称)」を創設し、ここで集めた資金を使って今秋に新銀行を設立する計画だ。(菅野雅一)
−−銀行や生命保険会社に投資事業組合への参加を求めるのか
「その通りだ。欧米の有力投資家に限らず、日本の優れた金融機関が参加することを歓迎しており、複数の関係者と交渉している。数週間後に結論が出るだろう。生保などとは新たなビジネスを創出できるよう、出資だけでない協力関係を模索したい」
−−ロス氏のファンドの出資者たちは非常に高い利回りを期待していると聞いている。どのように新銀行を運営し、高い配当を実現するのか
「整った資本市場をもつ先進国では、健全な銀行の株式は、純資産倍率で見て他の業種の株に比べ二倍から三倍の価格で取引されている。すべての不良債権が処理された後で新銀行がスタートすることを考えると新銀行への投資の利回りは高いものになる」
−−新銀行は、いつ経営が軌道に乗るのか
「十人の役員のうち半数は経済界や学界といった外部から招へいしたい。執行役員制も導入し、経営的には譲り受け後二年目で軌道に乗ると思う」
−−将来は、新銀行を売却するつもりなのか
「新銀行を売る必要はない。私たちは長期的な投資家になる考えで、新銀行を五年後に上場させたいと考えている」