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http://www.cnn.co.jp/2000/US/06/02/twa/index.html
TWA機墜落事故 「テロ」否定を見直しか
2000.06. 2
Web posted at: 7:37 PM JST (1037 GMT)
ワシントン(CNN) 米ニューヨーク州ロングアイランド島沖で米トランス
ワールド航空機(TWA、乗員・乗客228人)が1996年、空中爆発を起こし墜
落した事故で、米国家運輸安全委員会(NTSB)が、スティンガーミサイルの発射
実験を行っていたことが1日、明らかになった。NTSBは、これまで機体中央部の
燃料タンクの爆発が墜落原因とし、テロや外部からのミサイル攻撃の可能性を否定し
ていた。今回の実験は、墜落原因を「テロ説」を含めて検討するようNTSBが方針を
転換したものと受け止められている。
NTSBのスポークスマン、ポール・スクラム氏によると、TWA機の事故原因
を再検証するため4月、数発のミサイルをフロリダ州のエグリン空軍基地で発射した
という。実験は、風、天候、気温などが事故当日と同じ条件下で行われた。実験の目
的は、ミサイルが発射された時、周辺では何が見えるのかなどの情報を収集するため
だという。 ニューヨーク発パリ行きのTWA機は96年7月17日夜、ニュー
ヨークのケネディー国際空港から離陸直後、空中で爆発を起こし、墜落した。生存者
はいなかった。
NTSBは今年に入り、TWA機の墜落原因は、機体中央部にある燃料タンクの
爆発と結論づけた。しかし、何が爆発を引き起こしたかについては立証されないまま
だ。一方で事件直後、爆弾テロや外部からのミサイル撃墜の可能性は全くないと否定
していた。
しかし、TWA機が爆発する直前、多くの人たちが夜空に尾を引く閃光をみたと
証言していた。さらにホワイトハウスの元報道官で、ニュースレポーターのピエー
ル・サリンジャー氏も同便が、ミサイルで撃墜されたと主張していた。
実験に使われた軍事用のスティンガーミサイルは1980年代、アフガニスタン
紛争で旧ソ連軍と戦うため反政府ゲリラに、中央情報局(CIA)が密かに渡してい
たとされる。数百のスティンガー現在もアフガニスタンにあると見られる。また、当
時はソ連と戦っていたゲリラの中には、現在は米国を「聖戦」の相手と位置付けてい
る組織も多い。
リノ司法長官は1日、TWA機の事故が、ミサイル攻撃や爆弾テロなどではない
と信じていると説明した。同長官は記者たちに向かって「私は確信を持っているが、
あなた方はいつも、続報や他の原因を探し続けている」と述べた。
実験から集められた情報は、8月下旬の最終報告書に盛り込まれる予定。