安田弁護士魔女狩りのしかけ

 
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投稿者 全文 日時 2000 年 6 月 01 日 20:35:51:

安田弁護士魔女狩りのしかけ
http://www.tip.ne.jp/saiban/majyo.html

 オウム真理教の松本知津夫こと教祖・麻原彰晃の国選弁護人だった安田好弘弁護士さんは、同裁判で「悲惨な事件を引き起こした要因を明らかにして、基因を根絶すること」に弁護活動の主眼を置いていた。

 ところが「死刑廃止運動の中核をなす安田弁護士は、証拠調べや証人尋問に時間をかけて、裁判を引き延ばし、忌まわしい麻原が死刑を免れるように企んでいる」と、とんでもない誹謗中傷のデマが流言し、その延長上で、同弁護士さんは1998年(平成10年)12月6日逮捕、同25日に強制執行妨害罪で起訴されたが、公判で検察が主張する「2億円の使途不明金」は社員O経理担当の横領であることが明らかになり、1999年(平成11年)7月29日に事実審理を担当している東京地裁が3回目の保釈許可決定をしたにも関わらず、検察が抗告し、それを受けて東京高裁が理不尽な「罪証隠滅」を理由に、同30日、保釈許可を取り消し、現在も長期勾留を強いられている。

 安田弁護士魔女狩りの集団ヒステリー現象の渦中にいる人たちは、ちょっと冷静に筋道をたてて考えてみてください。
 いったいどのくらい裁判を遅延させたら、麻原は死刑を免れることができるというのでしょうか。裁判の遅延=死刑免脱など現実にはあり得ないことです。
 死刑を免れることが目的であれば、死刑廃止運動に専念していればいいことで、膨大な手間暇(時間とエネルギー)をかけてまで証拠調べや証人尋問をする必要はさらさらにないのです。
 死刑免脱が目的なら、当時、多数の重大事件を抱えており、事務処理も限界の状況にあり、いくら弁護士会の理事者に強く要請されても、安田弁護士さんは麻原の国選弁護人を受諾することはなかったのです。

 サリン事件という犯罪に怒りを共通し、優秀な青年が数多く入会し、凶悪な犯罪に走った原因を究明し、日本社会を健全なものに建て直すことに貢献したいとの情熱があったからこそ、社会正義の実現と基本的人権擁護という弁護士の使命を遂行すべく、不本意ながら、安田弁護士さんは麻原の国選弁護人になることを承諾したのです。

 強制執行妨害罪の方では、安田弁護士さんが逮捕された翌日に告発をした住専側は、S社に対して賃料の差し押えも、抵当権の実行も行おうとせず、強制執行手続きを一切とっていなかった。行われてもいない「強制執行」を妨害できるはずがないではないか。前記のごとく問題の2億円余の使途不明金はO社員の横領であり、事件そのものが存在していなかった。
 だから東京地裁の公判担当の裁判官も「これは検事のとんでもない作り話だ」ということを理解して、保釈許可決定を3回も出したのである。

 刑事裁判は弁護士がつかなければ実施できない。
 ここで麻原裁判開始前後の状況を思い出してもらいたい。 

1. 捜査段階ではY弁護士が自ら弁護を名乗り出たが、「サラ金業者との違法な癒着」を理由に大阪弁護士会から懲戒処分を受ける。
2. この事態を弁護士一般は懸念したが、依頼した被告人である麻原本人 の意志が尊重されるべきと「介入」を差し控えた。
3. こうやって第1回公判を迎えたが、前日になって、麻原がY弁護士を解任してしまった。
4. 麻原は私撰弁護人をあくまで希望したが、裁判所は訴訟促進方針のもとに被告人である麻原本人の意志を無視して、弁護士会に国選弁護人の推薦委嘱をした。
本来は被告人である麻原本人の意志が尊重されるべきであった。
5. 第二東京弁護士会では、能力・実績から、適任者は安田弁護士さん以 外にはないと考えた。
6. 安田弁護士さんは国選弁護人を引き受けるにあたり、「国選でもよいとの被告人である麻原本人の意志が確認される」ことを条件に付して内諾した。
しかし、弁護士会は、内諾を得るや、前記条件を無視して、直ちに裁判所に推薦し、裁判所も待っていましたとばかりに、安田弁護士さんを麻原の弁護人に選任してしまった。
これで裁判所は裁判開始について、絶対的な安全を得たのである。
7. 安田弁護士さんの承諾を取り付けたことは、弁護士会として大成功であり、それゆえに要請にあたった理事者は一個の功労者となった。
安田弁護士さんとも親しかった理事者こそが「刑事事件相当事案を発掘するのも、弁護士の重要な仕事」と公言し、安田弁護士さん訴追で警察に積極的に協力した、黒田純吉(株)住管専務理事である。人でなしというやつだ。
 

 社会感情を背景に一刻も早く麻原を死刑にして功績をあげようと逸る、司法権力「裁判所・検察」の狙いに反して、裁判が開始されると、安田弁護士さんは刑事訴訟法の原則に忠実な弁護活動を繰り広げ、愚直で、緻密な反対尋問を通じて、事件の真相が検察官の主張するシナリオ通りのものでないことを具体的に示してきた。
 「事実は小説より奇なり」で証拠を積み上げていく過程で、思いもかけなかった事実が浮かびあがってきて、驚愕し、唖然とする。証拠固めをしっかりしておけば永久に事件が風化することはない。真実の重みとはそういうものである。
 証拠固めができて、初めて事件の解明ができ、事件再発防止が可能になる。一つの証拠だけでは事件解明はできない。集めた証拠を突き合わせることで、はじめて事件の全容が明らかになる。
 しかして証拠固めが佳境に入り「警察の捜査が適切であれば、地下鉄サリン事件は未然に防止できたのではないかという、問題提起ができるまでになっていた矢先」に、安田弁護士さんは逮捕されたという。口封じされたとしか考えられない。

 現行法規に麻原専用の法律はない。麻原に限ってのみ、いいかげんな証拠調べで真相があきらかにされないまま、確定判決に突き進み、死刑執行で麻原を始末して一件落着、それですべて終わりになるのであれば問題はないのだが、歯止めをなくし、このまま黙って見過ごしていると、いつ我が身にも法の恣意的運用と裁判官・検察官の裁量権の濫用により、裁判なしで死刑になることもなきにしもあらずで、これが恐い。そうなったときに、外部から隔離された監獄で、いくら泣き叫んでも、誰も助けにきてくれないのです。
 安易に法の恣意的運用を許容していると大変な事態になる。
 お酒と同じで、ちょっと、これくらいが、重大な事故を引き起こし、他人の生命を奪い、自分にも命取りになってしまうのです。
 司法は国家のインフラである。くだけた言い方をすると「亡国の元、昔軍隊、今司法」なのです。おろそかに考えているとひどい目にあう。

 宗教というものは「若くして天国にめされると、いい人だったから、神様が早くおそばにお呼びになったのですよ」とか、なにごとも美談にしてもらう。そしてあらゆる宗教に「奇跡」がある。わざわざフランスまで行って「ルルドの水」を水筒に汲んで、飛行機に積んで、あり がたく持ち帰ってくる宗教の人たちもいます。天然の温泉水ですから病気によっては効き目があるのは当然です。国内の温泉水もしかりです。だのに、なぜ「ルルドの水」かというと、それが愛であり、宗教だからです。肉親・友人・知人の愛に励まされて、病気の人に「病気と闘う勇気」を与えるのです。

 だから確実な証拠と証言をもって「サリン殺人事件の首謀者は麻原である」と決め付けなければならない。「かようなものは宗教家ではない」と決め付けなければならない。そうしてオウム真理教の教理と悪魔の権化の麻原は一体ではない。別であることを明確にしなければならない。麻原は宗教家を騙った「死の商人」だったことを明白にしなければならない。拙速裁判で「いいかげんな判決」を出せば、かえって麻原を英雄にしてしまう危険があるのです。そうなれば死刑になっても麻原の勝ちです。

 安田弁護士さんは愚直な弁護活動で、やっとサリン事件を解明する糸口に到達していたのです。これからというときに、裁判所・検察のご都合主義で「麻原の主任弁護人」というレッテルを貼られ、社会から抹殺されようとしています。社会の健全化にとって大変な損失です。
 国民の皆様は、どうか、大局的に、大きな心の目で、オウム裁判を監視してください。
 オウム真理教に走る青年も日本国民です。迷える彼らの目を覚まさせ、宗教家を騙る「死の商人ら」から決別させ、立直らせることも大切なことではないでしょうか。それには彼らに確たる証拠「現実」をつきつけるしかないのです。

 マスコミは司法権力に同調することなく、今後は、安田弁護士さんから「麻原の主任弁護人」のレッテルを取り除いていただきたい。
 検察のデッチ上げた強制執行妨害罪で逮捕・起訴・長期勾留されているのは、安田好弘というS社の顧問弁護士です。だのに、なぜ、「麻原の主任弁護人」を頭につけて記事を掲載するのですか。提灯レッテルはやめるべきです。事実をそのまま粛々と報道すべきです。時の政府の司法権力の意図するところ一部のみを抽出して誇張してはならない。優秀な記者の方々はわかっているはずです。

 これまで、どれほど多くの無実の人間が、検察の誇る有罪率99・8%の冤罪で死刑になったことか。有罪率99・8%は狂った数字です。麻原裁判とは別の角度から検証しても、原則を逸脱した拙速裁判は問題です。 証拠は集めるまでが手間暇(時間とエネルギー)がかかりますが、揃ってしまえば、いっきに雪崩をうつように事件は解明します。

 だからといって、もう一度、安田弁護士さんが麻原裁判にカムバックすることを期待するのでは決してない。麻原の娘が私撰弁護人に選任したというが、もう、安田弁護士さんは麻原裁判から解放してもらいたい。

 私が申しあげたいのは、原則、それも特に法律の原則は絶対に逸脱してはならないということです。急がば回れ。そこのところをしかと見極めていただきたいのです。一つの事例が「坂本弁護士一家殺害事件の裁判」で遺族側は全面勝訴したにも関わらず、坂本弁護士の実母は「犯人らにまったく反省がない」ことに激怒と失望を顕にしておられた。悲痛な記者会見だった。加害者側に一顧だに反省なき勝訴は、さらに被害者側の悲しみを深くし、救いがないのです。事態を深刻にするばかりです。

 他の事件の裁判で安田弁護士さんの助けを求めている人たちがたくさんいます。したがって謂われなき強制執行妨害罪による長期勾留から、安田弁護士さんが一刻も早く解放されることに、ご理解・ご支援を賜りたくお願い申しあげます。安田弁護士さんの保釈が実現するように、救いの手をさしのべていただけますようにお願いもうしあげます。

 折しも、石井紘基衆院議員が代表世話人となり、オウム真理教対策として「脱会妨害などに罰則を科する」など、「オウム対策」法原案がまとまり、今国会に提出されることから、風穴が開き、事態は改善される見通しです。本HPの「安田弁護士からの感謝状」の中に関連記事を全文掲載していますからご参照ください。

 裁判所、検察、弁護人の三者共、事件再発防止の点で目的が共通しているのであるから、角を突き合わせてばかりおらず、ここで、改めて、三者協議の場がもたれることを切望する。
 国民のために法曹三者は小異を捨てて大同に付くべきである。

 東京拘置所に隔離されている安田弁護士さんの境遇は、ミャンマー軍事政権により自宅軟禁状態にあるスーチン女史と同じである。法律を越えたところに問題の核心がある。日本で一、二といわれる優秀な弁護士さんたちが、真正面から、いくら正論を唱えても、安田弁護士さんを救出するのは困難である。民主主義と検察権力の対決の構図。

下記ページより、全文引用
http://www.tip.ne.jp/saiban/majyo.html






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