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2000年5月30日(火) 11時44分
<ペルー大統領選>「有効とはいえない」 米が強い非難声明(毎日新聞)
【ワシントン29日中井良則】フジモリ大統領が3選を決めたペルー大統領選挙決
選投票について、米国務省報道官は29日、「ペルー政府は、新しい開票システムを
確認する時間が不十分という国際監視団の批判に対処することを拒否した。選挙が有
効とはいえない」「これほど欠陥のある過程から登場した大統領は正当性を主張でき
ない」などと指摘する強い非難声明を出した。米国は今回選挙を無効とする姿勢を打
ち出したことで、ペルーへの制裁など外交措置をとる可能性も出てきた。
報道官は声明で、「フジモリ政権のこの問題への対応は、米州機構(OAS)とそ
の民主主義への重大な脅威だ」とも述べた。
この米政府の姿勢は、フジモリ大統領の当選そのものを認知しないという、予想よ
り強い方針といえる。論理的には今後、選挙やり直しなど民主主義の回復につながる
措置を要求し、フジモリ大統領が応じない場合は経済制裁の発動にも向かう可能性が
ある。
米国は米州機構が一致してペルーに圧力をかけることを期待しており、31日にワ
シントンで開く緊急理事会で足並みをそろえるよう加盟国によびかけることになりそ
うだ。ただ、メキシコ、ブラジルなどペルー締め付けに慎重とみられる国もあり、米
州機構が米国の期待する統一歩調をとれるかどうかは不透明だ。
クリントン大統領は投票前の26日、「投票が(予定通り28日に)実施されれば
米ペルー関係に影響が出るのは避けられない」と延期を求めていた。
[毎日新聞5月30日] ( 2000-05-30-10:26 )