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28日に実施されたペルー大統領選決選投票で現職のフジモリ氏が3選を決めたことについて、米政府は29日、民主主義に対する「深刻な脅威」であるとして、正統性を認めない姿勢を明確にした。ただちに経済制裁などは打ち出していないものの、きわめて厳しい対応といえる。
米国務省当局者は、新たに導入された選挙集計システムに対する国際監視団の疑念が晴れないまま、投票が実施されたことを挙げて「我々は選挙が有効であったとは見ていない」と述べた。
さらに、「こうした不備があるプロセスから登場した大統領は、だれであろうと正統性を主張することはできない。フジモリ政権の問題の扱い方は、米大陸諸国のシステムと民主主義に対する深刻な脅威である」と非難した。
ペルーの選挙システムについては、選挙監視に入っていた非政府組織(NGO)も「技術的にも政治的にも問題がある。ペルー国民の過半数がシステムの不備を信じていた」と批判していた。
クリントン大統領は投票に先立つ26日、ペルーが35カ国からなる米州機構(OAS)の選挙監視団の主張を受け入れ、投票を延期しなければ、ペルーとの関係を見直すと述べ、経済制裁などの措置も将来的にあり得ることを示唆していた。
米政府関係者は、OAS監視団の報告を受けたうえでフジモリ政権に対する対応を打ち出すことになろうとしている。
(11:56)