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回答先: パキスタンの新たな核実験は「大きな誤り」=米大統領補佐官(ロイター) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 5 月 26 日 15:55:08:
【ニューデリー28日=黒瀬悦成】
パキスタンが一九九八年五月に地下核実験を強行し、事実上の「核保有国」となってから二十八日でまる二年がたった。ムシャラフ軍事政権は、パキスタンより二週間先に核実験に踏み切ったインドに対抗するため「核能力を強化させる」と表明。米国では最近になり「パキスタンが再び核実験を準備中」との情報が流れるなど、南アジアを取り巻く核状況は依然として緊迫している。
パキスタンでは昨年、「核実験から一年」を記念する大々的な祝賀行事が挙行されたが、今年は公式行事は一切なかった。実験の実施を決断したのが昨年十月のクーデターで放逐されたシャリフ前首相であることや、核実験に対する主要援助国による経済制裁で、国家財政が破たん寸前に陥っている事情に配慮したものとみられる。
軍事政権最高指導者のムシャラフ陸軍参謀長は二十五日の記者会見で、二〇〇二年十月までに民政復帰する意向を初めて表明した上で、民政復帰前に「政治腐敗の一掃と経済再生」を実現させると強調した。二十七日には財政健全化を図るため商工業者への税務調査を全土で大々的に実施するなど、実務重視の姿勢を明確にした。
ただし、巨額の費用を必要とする核兵器の開発・配備を推進する立場は放棄していない。軍事政権は二十六日、同国の核政策を策定する一方、現有核兵力を一元的に指揮管制する「国家司令本部」の会合を開き、「(敵の)攻撃を抑止する手段としての核能力を強化させる」との方針を再確認した。これに先立つ二十三日、ロイター通信が米政府当局者の話として「パキスタンが核実験の準備を行っている兆候がある」と報道したことも、主要国がパキスタンの意図に懸念を抱く材料となった。
これに対し、ムシャラフ参謀長は「再実験に踏み切る意思は全くない」と否定しながらも、「インドが再度実験に踏み切ったら、パキスタンが我慢する理由はない」と警告した。インドの軍事専門家には、今のところインドに核実験をする兆候はない、との見方が強い。ただし、パキスタンに関しては、同国に弾道ミサイル技術を供与している北朝鮮が、「米朝核合意」により核開発の凍結を迫られていることから、北朝鮮がパキスタンに核実験を再開させ、その実験データの提供を求めている可能性がある、との指摘もある。
南アジア歴訪中のトーマス・ピカリング米国務次官は二十七日、イスラマバードで「南アジアで核開発を進めなければならない妥当な理由はない」と記者団に語り、印パ両国に自制を求めた。
(5月28日20:21)