H5.CIA研修報告

 
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投稿者 野田敬生 日時 2000 年 5 月 28 日 07:54:34:

資料(4)
CIA本部訪問及び協議会の状況
9月7日(火)
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本部訪問(10:30〜12:30)
作戦局日本課ホフマン課長補佐、ハーグレーブス氏及びスミ女史が同行
〇 CIA本部は、ワシントンDCの中心部から約13キロ離れた郊外(ヴァージニア州ラングレー郡)に在り、約100万平方メートルの緑に囲まれた広大な敷地に本部、新館、印刷工場などの建物が立っている。創設当時、学界出身者が多かったので、大学のキャンパスの雰囲気を模して作られたとのこと。
〇 オペレーション・ルームの状況
本館7階、100平方メートル程度のスペース
@国際情勢監視部門 A日報作成部門 B科学技術部門(休憩室・・・簡単な調理施設付き)
@ 国際情勢監視部門
     国際情勢全般を24時間態勢でモニターし、緊急事態発生時に直ちにCIA幹部及び担当部門に報告・連絡する。「東アジア・太平洋」「中東・南アジア、テロ」「欧州」「ロシア、武器拡散」「中南米・アフリカ、麻薬」ごとに一人の担当官が、商業用データベースと政府部内のデータベースをパソコン画面で監視し、CNNなどのテレビ放送を常にモニター。4班が12時間交替勤務。
A 日報作成部門
     日曜日を除く毎日、政府高官に配付する国際情勢の取りまとめ資料(National Intelligence Daily)の編集を担当。朝配付するために夜勤務している。
B 科学技術部門
     一切説明なし。数人が勤務。名称から、衛星写真、通信傍受などの情報に基づく情勢監視担当部門か。「衛星からの情報はリアルタイムで利用できるのか」との当方の質問には「答えられない」との返答。
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昼食(12:00〜13:00)
日本課の招待により、150年程を経た農家をそのままレストランにしたところで昼食をとった。
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協議会(13:15〜17:45)
作戦局のホフマン課長補佐、ハーグレーブス氏及びスミ女史が同席

情報分析局リーダーシップ分析部アンジェラ女史
〇 北朝鮮指導部について
・ 金正日の性格について
欲しいものは何でも手に入れないと気が済まない性格。情緒不安定、他人を信用しない。こうした性格が私生活だけでなく対外政策にまで反映。
・ 北朝鮮指導部内の現実主義者について
代表例としては、姜錫柱(外交部第1副部長)、金達玄(副総理、国家計画委員長)、金容淳(党書記)らがいるが、指導部内の実行力には限界。
・ 金日成、金正日の健康問題
金日成は高齢だが、特に深刻な病気等はなく、今後5年以上存命する確率は50%以上。金正日は、飲酒、太り過ぎ、などのため、健康面の問題はありそう。神経衰弱の可能性あり。

作戦局分析官ランディー・ヒンケル氏
〇 最近における北朝鮮の動向の注目点
・ 矛盾する内外動向
金正日への権力委譲を企図しながら、今年になって金日成の出現回数はむしろ増加し、反対に金正日は余り出現しなくなった。
・ 対外活動の縮小傾向
世界的に北朝鮮の大使館の閉鎖または規模の縮小などの動き。
・ 外部からの思想的影響の排除
これまで行っていなかった中国の放送に対する電波妨害を昨年から開始。

作戦局分析官ソールズベリ女史
〇 北朝鮮の情報機関について
・ 主な情報機関
労働党関係
統一戦線部、調査部(要員の訓練、送り込み)、社会文化部(韓国内スパイ組織構築など)
政府関係
国家保衛部、社会安全部
軍関係
総参謀部偵察局
・ 北朝鮮の国外テロ組織との関係
最近は、北朝鮮の国際テロ組織に対する具体的な支援事実は確認できない。しかし、依然として幾つかの国際テロ組織との連絡(リエゾン)を維持していることは間違いない。

研修員側のブリーフィング
坂井 隆
〇 北朝鮮関係
北朝鮮が、最近、雷、虹などの自然現象の生起を捉えて金正日賞賛宣伝に利用し始めていることを紹介。そのイデオロギーがますます伝統的思考に根ざしたものになりつつあることなどを指摘。
小島龍郎
〇 中国関係
経済過熱のため、高インフレ、幹部の汚職、農民の反動的動きが顕在化しつつあることなどを指摘。ケ小平後をにらんだ中国情勢の大きな不安定要因として、同問題への注目の必要性を強調。
金 勇徳
〇 ロシア・本国事情
ロシア政局の今後の推移について3つのシナリオを示し、これらの比較検討を行った上で、大統領及び議会の双方とも決定的な力に欠ける現状では、当面、軍事力を伴う政局激変の可能性は少ないとの展望を呈示。
丸谷明彦
〇 ロシア・対日関係
@ 「北方領土ビザなし渡航」をめぐるロシア側治安関係者の不穏動向
A ロシア治安当局の我が国治安機関に対する非公式打診の動き。
B 我が国における科学技術情報収集活動の最近の特色について説明。
C 我が国右翼団体とロシア在日公館の交流について説明。
岩井克巳
〇 日本赤軍関係
北朝鮮在住の「よど号」グループを介した日本赤軍と北朝鮮の連携状況及び今後の関係強化の可能性、日本赤軍の最近の組織再編動向及び日本国内支援者との連絡状況などについて説明。
安部川 元伸
〇 国際テロ関係
スリランカ国内において分離独立運動を進めるテロ組織「タミール・イーラム解放の虎」(LTTE)の組織、活動の概要、特徴点(麻薬、武器密輸)などを紹介し、その今後の危険性を指摘。

研修修了証の授与
作戦局日本課長グラハム女史
〇 研修員全員に研修修了証を授与。当方側からは、謝辞を述べるとともに、関係者への記念品を手渡した。



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