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雪印乳業大阪工場の低脂肪乳を飲み六千人を超える
食中毒症状が出ている問題で一日、手抜きやルール違反など
、食品工場では考えられない「安全」軽視の管理実態が
明らかになった。一方で、大阪市の調査直前、製造ラインの
「ふき取り検査」をするなど、証拠隠しとも受け取れる行為
も判明した。被害者たちからは、「消費者のことをまるで
考えていない」と批判の声があがった。
「目で見てわかるもの(乳固形物)がバルブの弁の裏側に
残っていました」
この日午後三時から雪印乳業の西日本支社で行われた
記者会見で、菌が検出された調整乳タンクのバルブに質問が
及んだ時、後方に控えていた下野勝美・大阪工場長が突然、
進み出た。
「これくらいの大きさの汚れでした。(目視チェックで)
見えない部分ではありません」と報道陣に指で十円玉程度の
輪を作ってみせた。
現場責任者の“爆弾発言”に、石川哲郎社長は「それは
どういうことなの、工場長」と顔を真っ赤にして聞き返す。
司会の広報担当者も、制するように「可能性を言っているのか」。
「事実です」。下野工場長はきっぱり。役員らが口々に
「バルブは手洗いした後、汚れをしっかりチェックしている」
と力説した直後だっただけに、石川社長は「知らなかった」と絶句。
同社が主張してきた「安全」が一気にほころんだ。
調整乳タンクと製造ラインの上の別タンクを結んでいたのは、
同社では「基準外」の仮設パイプだった。役員は「洗浄は自動洗浄
と(本社で)決まっているのに、大阪ではこういうことが行われて
いた」と同工場のルール違反を指摘した。
また、同社ではバルブは週一回、分解洗浄した社員が確認する
ことになっていたが、六月は二回省く“手抜き洗浄”だった。
同社は「毎日使うものではないから、(洗浄工程を)とばした
のかもしれない」と釈明した。
大阪市は先月二十八日から毎日立ち入り調査しているが、工程に
関する書面には、菌が検出された再利用工程は一切記載されて
いなかったため、患者数が急増した三十日まで、製造ラインに対する
ふき取り調査を行わなかった。ところが同社は製造・販売の自粛を
求められた後の二十九日に、市に知らせないままこっそりふき取って
おり、一日午前になって初めて、菌の検出の事実と一緒に報告。
工程の記載漏れも厚生省の査察官の指摘で初めて発覚した。
原因究明の手段が同社の手で封じられていたことに、市環境衛生局は
同日、説明に訪れた石川社長に対し口頭で抗議したという。
◇◆午前の会見で公表せず◆
雪印乳業は一日午前の記者会見の時点で、すでに製造ラインのバルブ
から黄色ブドウ球菌を検出していたが、同日午後の石川社長の会見まで
明らかにしていなかった。同社によると、黄色ブドウ球菌は、前日夜
「仮判定」で検出され、この日午前十時ごろ「本判定」で確認された
という。しかし、同日午前十時四十五分からの会見では、消費者の
飲み残しの低脂肪乳などの検査結果だけを公表、黄色ブドウ球菌などは
「一切検出されなかった」としていた。(7月2日00:07)
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まぁ、低死亡だけに、森永ヒ素ミルクよりはマシですが。