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【モスクワ26日=高木桂一】
旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継組織であるロシア連邦保安局(FSB)は二十六日、米中央情報局(CIA)の諜報(ちょうほう)員としてロシアでスパイ活動をしていたリトアニア人の男(二四)を逮捕した、と発表した。
FSBの声明によれば、このリトアニア人は、自国の国家情報機関の職員であるうえ、昨年初めからCIAのためにFSBのコンピューターに入力してある職員の構成や職務能力などの機密情報を不法に入手する「特殊作戦」の任務を受けていた。また、六月初旬のクリントン米大統領訪露前の四月から五月にかけてポーランドで行われたFSBの会合の際は、CIAの特命でFSB職員に接触を図り、スパイ要員をスカウトする計画を立てていたという。
FSBは声明で、「米国にとって最も重要なことは、スパイを利用してFSBの情報システムを盗むことだった」と米国の諜報活動のあり方を激しく批判した。