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2000.06.26 Web posted at: 10:08 AM JST (0108 GMT)
バチカン市国(AP) 「世界の終焉」を予言しているなどと憶測を呼んでいる「ファティマの予言」のうち、ベールに包まれていた第3の予言の詳細がついに明らかになる。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の側近であるジョセフ・ラッチンガー枢機卿が26日に記者会見を開き、予言に関する文書や注釈を公開するという。聖母マリアから直接予言を受けたというルチア修道女(93)が書いた予言の複写品も、発表される予定だ。
バチカンでは第3の予言について、沈黙を守ってきたが、法王が今年5月13日、ファティマの大聖堂を訪れた際に、第3の予言は「白い法衣をまとった司教が、殉教者のしかばねが横たわる中を歩いている時に、銃撃とともに倒れ、死亡する」というものだったと発表した。バチカンはこれを、法王が1981年5月13日にサンピエトロ広場でテロリストに狙撃された事件を予言したものだと説明している。狙撃事件が起こった5月13日は、ファティマの第一の予言がされた日と同じ日でもあったという。
バチカンのアンジェロ・ソダーノ枢機卿によると、法王は聖母マリアが狙撃事件から命を救ってくれたと信じているという。
ファティマの予言は1917年、聖母マリアがポルトガルのファティマに現れ、3人の羊飼いにたくしたと言われている。第1次世界大戦の終結と第2次世界大戦の勃発を予言した第1の予言と、旧ソ連の誕生と滅亡を予言した第2の予言はすでに公開されている。
第3の予言だけが長い間、内容を伏せられてきたため、「バチカンが公開しないのは、世界の終焉を告げるような非常に恐ろしい内容だからだ」などという憶測が広がっていた。
最後の予言の詳細発表について、バチカン関係者は、時機が熟したからだと説明している。
研究者の反応はさまざまだ。イタリアの哲学者エマニュエル・セベリノ氏は「もし、第3の予言が法王の狙撃事件だけを暗示していたとしたら、私にとっては非常にがっかりする結果だ」という。一方、予言の解釈については、「白い法衣をまとった司教」というのは、1980年に暗殺されたエルサルバドルのオスカー・ロメロ大司教のことではないのかとする見方も出ている。