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回答先: シエラレオネの派遣団を増強へ…国連安保理採択 投稿者 一刀斎 日時 2000 年 5 月 20 日 12:28:45:
(以下毎日記事より抜粋)
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/798993/83V83G8389838c83I83l-0-.html
シエラレオネ:
反政府勢力が国連派遣団を襲撃 4人死亡
2000.05.04
【ヨハネスブルク3日藤原章生】西アフリカのシエラレオネに平和維持軍とし
て駐留する国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)が、反政府勢力の革命統
一戦線(RUF)の襲撃を受け、3日までに同派遣団の兵士少なくとも4人が死
亡、50人が拉致された。警察の役割をしてきたナイジェリア軍が2日に撤退を
完了させたため、反政府勢力が弱体な平和維持軍を襲い始めたものとみられる。
現地からの報道によると、シエラレオネ中東部の町マグブラカで監視活動をし
ていたケニア人の国連平和維持部隊が1日、RUFに襲撃され、2日には4人が
射殺された。戦闘は3日朝まで続き、少なくとも10人が拉致された。
また北部のカイラウン村で1日、ヘリで物資を運んでいたインド人部隊7人が
RUFに包囲され拉致された。他にも各地で平和維持軍が捕虜に取られ、AFP
通信によれば少なくとも50人の国連関係者が行方不明になった。
91年から内戦の続くシエラレオネでは、これまでナイジェリア軍を主力とす
る西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)が監視役だった。しかし昨年7月
の政府・反政府側の合意で、ECOMOGは任務を国連に引き渡し、2日、1万
5000人の撤退を完了させたばかりだった。
ダイヤモンド鉱山を握り資金の潤沢なRUFに武装解除の意思はない。
ECOMOG撤退で軍事均衡が崩れ、今後、国連軍など外国人を標的にした襲撃
が広がる可能性は高い。
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国連:
シエラレオネで派遣団300人を反政府勢力が拘束
2000.05.06
【ニューヨーク5日上村幸治】国連のアナン事務総長のスポークスマンは5
日、アフリカ西部のシエラレオネで国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)
要員約300人が、反政府勢力「革命統一戦線」(RUF)に拘束されたと発表
した。これだけの規模の平和維持活動(PKO)要員の一斉拘束は、過去にも例
がないとみられる。
拘束されたのは、ザンビア、ケニアなどの兵士が中心で、ノルウェーやマレー
シアの兵士、英国、オランダの民間人らが含まれているという情報もある。
国連安保理は先に、緊急安保理を開いて釈放を求める声明を発表。アナン事務
総長も「事態を深刻に憂慮している」という声明を出し、要員の即時釈放を促し
ていた。
しかし、事態は悪化する一方で、国連は要員4人が死亡、12人が負傷したこ
とを発表している。
シエラレオネでは、8年に及ぶ内戦を続けていた政府とRUFが昨年7月、和
平協定に調印。これを受け、国連がPKO要員を派遣していた。
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シエラレオネ:
内戦の恐れ拡大 米英が滞在者に出国勧告
2000.05.08
【ヨハネスブルク7日藤原章生】反政府勢力が国連軍要員を拘束している西ア
フリカのシエラレオネで、内戦再発の懸念が広がっている。国連報道官は7日、
反政府勢力・革命統一戦線(RUF)が民間人を盾に首都フリータウンの東60
キロのルンサールから首都へ向け侵攻を開始したと発表、数時間後に「誤った情
報だった」と訂正したものの、緊張は収まっていない。米英両国政府は同日、シ
エラレオネに滞在中の両国民に出国を勧告した。
1日に始まったRUFの襲撃で、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)
の要員8600人のうち、これまでにケニア人部隊の4人が死亡、12人が負傷
し、少なくとも278人が人質にとられた。ほかに約200人が行方不明になっ
ている。また5日には、ザンビア人部隊の兵員輸送車両13台の208人が物資
を奪われた。
こうした治安悪化状況を踏まえて米国務省は7日、シエラレオネ滞在中の米国
人に出国を勧告。英外務省も同様の勧告をし、英国防省は英国人保護を目的に艦
船5隻と数百人の部隊を付近海域に急派することを明らかにした。
一方、UNAMSILとRUFは6日、両者の合同派遣隊を拘束現場へ送り、
拘束者の解放方法を検討することで合意した。双方の声明では、これまで事件解
決に非協力的だったRUFのサンコー議長も国連の作戦に全面協力することを
誓っている。しかし事件が解決に向かうかどうか先行きは不透明だ。
シエラレオネには96年2月の大統領選で民主政権が生まれたが、カバー大統
領はRUFや政府反乱軍を抑えられず、南アフリカの傭兵や地域軍にようやく守
られてきた。97年5月から98年3月まで反乱軍とRUFが政権を握り、99
年1月にも一時、首都がRUFに占拠された。
この間、サンコー議長はナイジェリアで軟禁下にあったが、昨年7月に和平に
合意し解放された。RUFは民間人の腕や耳、鼻などを切り落とすテロを繰り返
し、91年に始まる内戦で人口の1%に当たる5万人が犠牲になった。
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シエラレオネ:
民間人4人が射殺される 市民デモで
2000.05.09
【ヨハネスブルク8日藤原章生】500人近くの国連シエラレオネ派遣団
(UNAMSIL)が反政府勢力・革命統一戦線(RUF)に拉致されているシ
エラレオネの首都フリータウンで8日、民間人4人が射殺される事件が発生し
た。英、米、国連や西アフリカ諸国は外交解決を図っているが、犯行におよんだ
RUFの指揮官は不明で、交渉は成立していない。
フリータウンでは8日午後、1991年から続く内戦に怒った市民約5000
人が、副大統領格のサンコーRUF議長宅に押しかけた。デモは激しくなり、
RUFの護衛がいきなり発砲し、民間人4人が死亡、十数人が負傷した。
RUFは96年11月の包括和平協定を破り、現在は昨年7月調印のロメ和平
協定を無視し500人もの国連兵らを拘束している。97年5月から98年2月
までのRUFと反乱政府軍による軍政時代や、99年1月のR
UFによる首都制
圧では、略奪や住民の手足を切断する蛮行が続いた。8日、市民が議長宅に詰め
掛けたのはその再来を怖れてのことだ。
だが、サンコー議長が密林に出没する兵士を止められるかどうかは疑問だ。議
長は97年にナイジェリアで逮捕されてから昨年7月に連立政府の一員となり解
放されるまで現場を離れている。これまでも「私には末端兵士までは管理できな
い」と語り、拉致事件についても「地理に疎い国連兵が迷ったのでは」と部外者
のような言動が目立つ。
ゲリラは年間産出額、数千億円規模のダイヤモンド鉱山を握り資金は潤沢だ。
サンコー議長をトップに据えるものの、取り引きにはリベリアなどを拠点とする
現場指揮官が当たる。指揮官との関係が悪化していると言われるサンコー議長が
指令しても、人質が解放されるかどうかは不明だ。
旧宗主国の英国や国連は打開策としてリビアのカダフィ大佐と並び隣国リベリ
アのテーラー大統領にRUFの説得を依頼した。テーラー氏はダイヤ取引や武器
密輸でRUFの現場指揮官と近い関係にあるためだ。しかし、RUFが居座るこ
とで利権を得る者も多く、解決は容易ではないとみられている。
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シエラレオネ:
救出に部隊派遣を要請 国連事務総長
2000.05.09
【ニューヨーク8日上村幸治】アフリカ・シエラレオネで国連要員が拘束され
ている問題で、アナン国連事務総長は8日、要員救出のために緊急展開部隊を現
地へ派遣するようナイジェリアなど関係国に要請した。これを受けてナイジェリ
アは、2個大隊を現地に派遣する方向で検討を始めた。派遣部隊は国連平和維持
軍の一部としてでなく、独自に行動することになる模様だ。
事務総長は同時に、現地にいる国連の文民要員のうち55人だけを残し、計
266人を撤退させるよう命じた。
ナイジェリア軍は、1997年5月にシエラレオネで軍事クーデターが起きた
時、西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)の主体となって首都フリータウ
ンを制圧した。
その後、政府と反政府勢力の間で和平協定が結ばれ、99年11月に国連平和
維持軍「国連シエラレオネ派遣団」(UNAMSIL)が来るまで、現地に駐留
していた。
今回の派兵は、国連平和維持活動(PKO)の支援という名目で、国連だけで
なく米国からも要請を受けたという。ナイジェリアは9日に周辺諸国首脳を招い
て緊急会議を開き、派兵を正式決定する予定だ。
一方、8日に事務総長と会談したオルブライト米国務長官は、米国がこの問題
で兵たん(後方任務)に関する支援を行う用意があると伝えた。
外交筋によると、UNAMSILを増強するため、米軍輸送機で800人近い
バングラデシュの兵士を現地に送る方向で、話を進めているという。
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西アフリカ:
9カ国が平和維持軍をシエラレオネに再派遣
2000.05.10
【ヨハネスブルク9日藤原章生】西アフリカ経済共同体9カ国の首脳は9日、
国連などの依頼を受けナイジェリアの首都アブジャに集まり、2日に撤退したナ
イジェリア軍主体の西アフリカ諸国平和維持軍(ECOMOG)をシエラレオネ
に再派遣すると発表した。国連軍と入れ替わりに撤退したECOMOGは改めて
同国の首都防衛に当たることになる。
アブジャからの報道によると、派兵時期は不明だが、9カ国国防相が17日、
アブジャに集まり、部隊編成を決める。国連平和維持活動(PKO)局もシエラ
レオネでの国連要員の大量拘束事件を重視し、ナイジェリア軍などの派遣のため
関係各国に資金支援などを折衝している模様だ。
ECOMOGは96年からシエラレオネに駐留してきたが、今月2日、最大1
万5000人の兵士の撤退を完了させたばかりだった。 シエラレオネの内乱の
一因はECOMOGの撤退にある。1万2000人を派兵していたナイジェリア
は昨年5月の民政移管を前にシエラレオネからの撤退を表明した。地域大国とは
言え、犠牲者が1000人を超え、「1日1億円を出費する」と言われた出費を
支えきれなくなったためだ。
「警察官」に逃げられる形になったシエラレオネのカバー大統領は昨年7月、
反政府武装勢力・革命統一戦線に大幅に譲歩する和平協定を結び、事後処理役と
して別の国連平和維持軍が派遣されることになった。
しかし、ECOMOGが撤退を完了させる前日の今月1日、革命統一戦線は協
定を破り国連軍を襲撃し、ザンビアやインド人部隊を中心に500人もの国連兵
らをら致し、こう着状態が続いている。
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シエラレオネ:
反政府勢力のRUFサンコー議長が行方不明に
2000.05.10
【ヨハネスブルク10日藤原章生】シエラレオネからの報道によると、反政府
勢力・革命統一戦線(RUF)のサンコー議長(63)は、8日午後、首都フ
リータウンの自宅前で起きた発砲事件の直後から行方不明となった。政府側に拘
束されたという見方もあるが、内陸部で国連軍を拉致(らち)しているRUF本
隊に合流するため逃亡した可能性もある。
発砲事件は8日、サンコー議長の自宅前で起きた。抗議に来た住民5000人
に対し、議長を警護するRUF兵が発砲。市民の中に紛れていた「カマジョー」
と呼ばれる政府軍側の民兵が応戦し、当初4人と発表された死者数は16人に
上った。議長はこの騒乱の中、姿を消した。
一方、RUFとみられる武装集団が9日から10日にかけ内陸部の町マシアカ
を襲い、警護に当たっていた国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL、計
8600人)の1部隊が敗走した。これに同行する形で住民少なくとも5000
人が首都に避難したという。
マシアカ周辺には拉致された約500人の国連兵の一部がいるとみられてい
る。政府軍は9日「国連は我々を守ってくれない」と独自に軍や民兵のカマ
ジョーをマシアカに派兵したというが、数などは確認されていない。
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シエラレオネ:
英が反政府勢力の鎮圧に向け軍事関与を強化
2000.05.14
【ロンドン14日笠原敏彦】アフリカ・シエラレオネの内戦で、旧宗主国の英
国が反政府勢力の鎮圧に向け軍事関与を強めている。駐在英国人らの救出を目的
に現地へ急派された先行部隊が首都フリータウンの治安回復で主要な役割を果た
す中、13日には空母「イラストリアス」や600人の海兵隊員を乗せたヘリコ
プター搭載空母などがシエラレオネ沖に到着した。
8日からフリータウン入りした英空挺部隊約800人は当初、英国人らの救出
だけを任務とし、1週間程度で撤退する予定だった。しかし、英政府は12日、
国連平和維持軍「国連シエラレオネ派遣団」(UNAMSIL)が治安維持に十
分な増派を完了するまで「少なくとも1カ月」は派遣部隊を現地に駐留させる方
針に切り換えた。
英政府は、派遣軍の任務を平和維持軍の増派に備えた首都の空港確保などの
「後方支援」と規定。クック外相は「英軍が戦闘に参加することはない」との立
場を繰り返し表明し、空母の派遣は「緊急事態に備えた警戒措置」であり増派し
た海兵隊の上陸計画も現時点ではない、としている。
しかし、現地派遣軍の指揮官を務めるデービッド・リチャーズ准将は「我々の
任務は広く解釈されている。(反政府勢力を)戦闘で押し戻し、必要なことは何
でもやらねばならない」と述べ、政府の公式見解とは違い軍事関与を深めている
ことを示唆した。
現地からの報道によると、英軍は事実上、平和維持軍やシエラレオネ政府軍の
指揮を取り、作戦上の指導や通信面での支援を行っているほか、首都周辺の拠点
確保で重要な役割を果たしている模様だ。
英政府は出口の見えない内戦に深入りすることを恐れる反面、旧宗主国とし
て、反政府勢力に苦戦するシエラレオネ政府軍や平和維持軍を見捨てることもで
きず、ジレンマの中で徐々に関与を深めていると見られる。
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シエラレオネ:
市民が反政府勢力サンコー議長を拘束、政府軍に
2000.05.17
【ヨハネスブルク17日藤原章生】約350人の国連平和維持軍が拘束されて
いたシエラレオネで、逃亡中の反政府勢力・革命統一戦線(RUF)のサンコー
議長が16日夜、首都フリータウンの市民らに拘束され、政府軍に引き渡され
た。またAFP通信は17日、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)当局
者の話としてRUFが人質にしていた残る国連要員350人の解放が始まったと
伝えた。国連、政府側にとり議長の身柄確保は、和平を進める上で大きな進展と
いえる。
報道によると、サンコー議長は首都の潜伏先で見つかった。着ていた衣服をは
ぎ取られ、全裸のまま政府軍に連行されたという。議長は8日、自宅に抗議に来
た政府側の民兵や住民5000人に対し、護衛が発砲するなど19人の死者が出
る騒乱の中、失そうしていた。
国連要員約500人はRUFに拘束されたのち、隣国リベリアのテーラー大統
領の仲介で150人が解放されていた。残る350人の解放が事実なら、交渉に
向けた環境が今後、整っていくとみられる。
サンコー議長は今後、反政府勢力を軟化させ、武装解除に持ち込む交渉の前面
に立たされることになりそうだ。
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