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2000 年 5 月 18日
「神の国」発言や月刊誌報道など、失言・醜聞が連続している森喜朗首相。内閣支持率も急落傾向にあり、自民党内にはこのまま選挙戦に突入することに危機感を漏らす声もある。思いだされるのは平成元年夏の参院選挙で、「女性スキャンダル」で世論の集中砲火を浴びた故宇野宗佑元首相が、選挙戦の最前線に立つことができなくなった過去だ。
「あの時とソックリだ。首相交代で『これで選挙は行ける！』と安心したのに、すぐ宇野さんの芸者醜聞が出て大逆風になった。イヤーな予感がする」と語るのは自民党ベテラン秘書。
宇野元首相といえば、リクルート事件で退任した竹下登元首相の後継として元年６月に首相就任したものの、１週間もたたずに「神楽坂芸者と月３０万円で愛人契約を結んでいた」といった週刊誌記事がさく裂。直後の参院選では、党内各陣営から遊説を断られる苦境に立たされ、第１党を社会党に奪われる大敗北。８月には辞任した超短命総理である。
一方の森首相も、ドコモ株疑惑で厳しい立場にあった小渕恵三前首相の緊急入院で先月５日に後継首相となったが、その後、月刊誌に買春疑惑を報じられた（＝１７日に民事提訴）うえ、都市銀行からの５０００万円の無担保融資も発覚。さらに、１５日のパーティーでは「日本は『天皇中心の神の国』ということを国民に承知していただく、その思いで活動して３０年になった」などと発言して、野党陣営が内閣不信任案を提出する構えを見せている。
当初、小渕前首相への同情もあって４０％近くあった内閣支持率も、わずか１カ月で３３％にまで急落。自民党内にも「支持率が２０％台まで落ちるようだと総選挙は厳しい。森首相を選挙戦の最前線に立てることを検討し直さなければ…」（首都圏の中堅議員）とささやかれ始めたのだ。
そこで、森首相の“宇野化構想”である。
ある自民党関係者は「森首相には期待していない。亡くなった小渕さんの内閣・自民党合同葬を解散後の来月８日に決め、投票日を小渕さんの誕生日にしたのだから、小渕さんの『弔い合戦』を前面に出して戦うしかない。森首相が応援に来れば票が逃げる可能性もある。全国遊説はやめて沖縄サミットの予習でもしていてもらえばいい。自公保３党で過半数維持は大丈夫だろうが、もし過半数ギリギリならばサミット後に首相交代だ」と語っている。
★三日天下。
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