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森喜朗首相は17日、女性関係などに関する虚偽の記事で名誉を傷つけられたと主張し、月刊誌「噂の真相」(東京都新宿区)と編集発行人に1000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求めて、東京地裁に提訴した。森首相はこれらの記事について今月10日、「でたらめ」と述べて、法的措置を検討していることを明らかにしていた。
問題になったのは今年6月号の「“ノミの心臓”を震撼(しんかん)させる森喜朗のスキャンダル コネ入学の早大時代に売春取締条例で検挙歴が!」という見出しの記事など。早稲田大学生だった森首相が1958年に売春等取締条例違反で検挙されたなどと記されているが、森首相側は「何の取材及び証拠も示さず、虚偽の事実を真実らしく報道した」と主張している。
森首相の代理人の山本栄則弁護士は提訴後に東京都内で記者会見し、「『けしからんので何とかしてくれ』と総理に言われ訴訟に踏み切った。記事は事実無根で、刑事告訴してもいいほど悪質だ」と話した。
「噂の真相」の岡留安則編集長の話 11日付で送られて来た通知書の回答期限(到着後1週間以内)を待たずに提訴するとは、「神の国」失言で窮地に立たされている森首相の政治的思惑を感じる。記事の内容には自信を持っており、公人中の公人である首相のプライバシー侵害に当たるとも考えていない。疑惑に異議があるなら森首相自らが率先して、公の場で広く国民に情報を公開し、反論すべきではないか。
[毎日新聞5月17日] ( 2000-05-17-12:05 )