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【モスクワ15日=高木桂一】
「ロシア戦略ミサイル軍が欧州を標的に核ミサイルを発射する」。インターネットを通じて根も葉もない警告を発したロシアの専門学生二人が十五日までに、安全保障や人命にかかわる偽りの情報を流布したとして、連邦保安局(FSB)に摘発された。米国とオーストリアの国防、治安当局がロシア政府に確認したことから発覚したという。
イタル・タス通信によると、二人はロシア中央部・カルーガ州の技術専門学校に通う男子生徒。州内にある戦略ミサイル軍の師団を引き合いに出し、「もし困難な生活を強いられている将校たちの暮らし向きが変わらなければ、彼らは大統領の許可なしで欧州の都市に向けて核ミサイルを放つつもりだ」とインターネットで流した。
二人は、現実に給料遅配などで苦しむロシア軍兵士たちを思って、軽い気持ちで偽の情報を流したとされる。しかし、代償は大きく、裁判所はただちに、社会更生施設に一年間、とらわれる“懲役”の判決を言い渡した。流した情報の中には、軍の窮状を訴える“真実”もあったが、情状は一切酌量されなかった。