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【ワシントン7日=西田令一】
イスラエルが米政府の反対を押し切って、中国初の空中警戒管制システム用のレーダーを売却しようとしている問題で、米議会も、対イスラエル援助の一部を凍結する方向で同国への圧力をかけ始めた。中国の江沢民国家主席は来週、イスラエルを訪問する予定となっており、バラク同国首相との首脳会談で、この問題がどのように取り上げられるか注目される。
イスラエルが売り渡し契約をしているのは、実質は米国と共同開発した「ファルコ刀vと呼ばれるシステム。一部の能力は米国製の早期空中警戒管制機(AWACS)を上回るともいう。
三日にイスラエルを訪問したユダヤ人の<Rーエン米国防長官爆笑≠ヘバラク首相(国防相兼務)との会談で、中国と台湾との間の軍事力バランスを崩すとして、売却の中止を迫ったものの、首相は「契約済み」を理由に、中止は難しいとの姿勢を示した。
このため、米下院歳出委員会の外国活動小委員会のキャラハン委員長(共和党)は六日、コーエン長官がレーダー売却は米国の安全保障を脅かさないと保証しない限り、イスラエルに対する二〇〇一会計年度の軍事・経済援助二十八億二千万ドルのうちレーダー売却代金に相当する二億五千万ドルを凍結すると表明した。
民主党のオベイ歳出委員会委員も「イスラエルは、われわれが中国が手に入れるのを望まない技術を渡すような国への軍事援助は正当化できないということを理解した方がよい」と支持している。