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センサー開発のホトロン(東京・新宿、本田忠盛社長)は、手の甲の静脈分布を読み取って個人を識別する装置を製品化した。バイオメトリックス(生体認識)装置では指紋や目の虹彩(こうさい)などを使う装置が実用化されているが、誤認率については指紋法の十分の一で、虹彩法よりも安価に導入できるという。
厳しい機密保持が必要なオフィスビルの入退室管理向けに販売する。システムは手の甲に赤外光を当て、反射した光を電荷結合素子(CCD)カメラで撮影し、あらかじめ登録してある静脈パターンと一致するかどうかを判別する。
七百人分のデータを登録できる基本システムの価格は三十六万円(工事費別)。
認識に必要な時間は約〇・五秒。認識時間を短縮するため、まず個人に割り振った暗証番号を入力し、その後、手の甲を光にかざして登録してあるデータと一致するかを判断する。
誤って他人を受け入れてしまう誤認率は〇・〇〇〇一%で、指紋を利用するより十倍精度が高いという。虹彩を使うシステムの誤認率ばほぼ同等だが、価格は五分の一以下で済むとしている。
暗証番号や磁気カードを使う認証装置とは異なり、盗難や偽造の恐れもない。静脈パターン認識技術は韓国の明知大学が開発、ホトロンが国内での販売権を取得した。