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2000.05. 3
Web posted at: 2:46 PM JST (0546 GMT)(CNN)
政府が電子メールなどを含むインターネットのやり取りを監視する「インターネット監視センター」の開設計画をめぐり、英国内で議論や懸念が高まっている。
ロンドンのサンデー・タイムス紙によると、2500万ポンド(約42億5000万円)かけて建設される予定の施設は、英国内で発信・受信されるインターネットの情報全てを傍受できるという。
施設は「政府援助技術センター(Government Assistance Technical Center)」と呼ばれ、内務省情報局保安部「MI5」により運営されると見られている。しかし内務省はCNN.comに対し、内務省内の国家犯罪諜報機関(the National Criminal Intelligence Service)が運営を行なうと述べた。
市民自由権運動グループは政府のこの計画に反対の声を上げている。キャスパー・ボーデン氏は、「この施設を使って政府は、全ての人がどのウェップサイトにアクセスしたかを令状なしに追跡することができる。社会に疑念を培養するようなものだ」と懸念を示した。
反対しているのは市民グループだけではない。自由民主党員のノーマン・ベイカー氏も「このスパイ・センターの出現は独裁主義の国家誕生を匂わせている。国家と個人のプライバシーの天秤は、国家側に大幅に傾いている」と語った。
しかし内務省のスポークスマン、ピーター・ヒルマン氏はCNN.comに対し、正当な理由や令状なしに、インターネットの監視は行なわないと反論し、「現在においても、未来においても、国務省の発効する令状なしに国民に対し大規模なスパイ行為をしたり、情報を傍受したりすることは起こり得ない。監視が行なわれる場合には、人権保護などに関し、細心の注意を払っていくつもりだ。傍受は、犯罪行為に対してのみ行なわれる」と説明する。
政府は国内のインターネット・プロバイダー400社に【監視センターへの接続を義務づける】方針だ。監視センターの経費を政府と民間でどう分担するかも議論の的だ。プロバイダーにとっては初年、3000万ポンド(約51億円)の出費となる見込みだ。多くのプロバイダーはこの計画に伴う大幅な出費に懸念を示している。