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http://www.sankei.co.jp/html3/0402side136.html
■マイクロソフト訴訟の和解決裂
【ワシントン2日=共同】ソフトウエア最大手、
米マイクロソフトの独占禁止法(反トラスト法)
違反訴訟で、和解交渉の仲裁人を務めてきたシカ
ゴ連邦高裁のリチャード・ポスナー所長は一日
「仲裁を断念した」との声明を発表した。これに
より和解交渉は行き詰まり、ワシントン連邦地裁
が四月七日までに判決を言い渡す見通しが濃厚と
なった。これまでの訴訟経過から、マイクロソフ
ト敗訴の判決が出るとの見方が強い。同地裁は判
決の後、夏ごろまでかけて独占を解消する是正策
を検討するが、関係者の間では、パソコン基本ソ
フト(OS)部門と他の事業部門の分割など厳し
い内容も予想されている。マイクロソフトのビ
ル・ゲイツ会長は「消費者と産業の利益になる和
解案に政府が合意せず、極めて残念」との声明を
出した。訴訟は米司法省などが一九九八年五月、
同社がOS「ウィンドウズ98」に自社のイン
ターネット閲覧ソフトをあらかじめ組み込むこと
は独禁法違反に当たると提訴。ワシントン連邦地
裁が昨年十一月、OS分野で圧倒的シェアを持つ
ウィンドウズの「独占的支配」を認定し、和解交
渉が始まっていた。ポスナー所長によると、これ
までに二十種類もの和解案を検討。マイクロソフ
トは先月末、企業分割を回避するため、ウィンド
ウズの設計図に当たる情報の開示などを柱とする
譲歩案を提示したが、司法省は不十分と判断して
いた。ワシントン連邦地裁は当初は三月二十八日
に予定していた判決期日を四月七日まで延期。和
解を進めようとしたが、双方の対立は解けなかっ
た。司法省は「和解のための和解は意味がない。
マイクロソフトの独占的地位の乱用をどう防ぐか
が焦点だった」と指摘した。