Tweet |
インテルがPC用演算チップの
ユーザー追跡用ID番号を断念
●いつのマニヤら、猫も杓子も「カイケン、かいけん」と叫ぶ時代になった。
「米国の押し付け憲法断固反対」とチャイニーズ・キャラクターを連ねて叫んでいる“エセ民族派”を見るに付け、小生なんぞは言葉と観念を軽視しているその馬鹿さ加減に唖然とするほかない。押しつけがイヤなら、まず諸君の漢語かぶれをなんとかせよ、とツッコミたくなるわけよ。真の「民族派」を目指すなら、漢語や漢字の使用をやめるべきだし、過去の日本人が発明した“かなもじ”で統一すべきだろうよ。大昔の中国の惨めな亜流でしかない「天皇」という呼称なり制度や、「日本」という朝貢国家の劣等感まるだしの国名もやめるべきだしさ。まして大陸で呼ばれていたわが国の音訳名称の、さらにその毛唐訛りに由来する「ジャパン」「ジャポン」「ヤーパン」の類いは直ちにヤメサセろって。中国伝来の音楽体系をベースに作られた現行「国家」もやめるべきだし、大陸文明に“汚染”されるまえの蒙昧時代にバック・トゥー・ザ・フューチャーすべきだよな。
●IT時代の昨今では、情報通信技術の概念設計を米国に依存し、ガジェット(小道具すなわちパソコン)の組立を台湾に依存している我がニッポン。サイバー空間で「言論の自由」が“保障”できているとすれば――事実は大いに怪しいが――米国の自由人権運動に感謝せねばなるまいな。
●仮に日本がパソコンの基幹となる演算チップを製造していたら、こっそり“ユーザ追跡暗号”を仕掛けられる恐れは大いにあるだろう。なにせ企業風土は封建社会そのものだもんな。
●しかし世界を相手に商売するとなれば、ビッグブラザーだけが通信の秘密をのぞき見できるような仕掛けを作るっていうのは通用しないだろうな。日本のメーカーなら、どうするだろう?
●それにしてもインテルがケチな“ユーザ追跡暗号”仕込み策動をあきらめたそうで、やれやれである。
●以下に、最新の『ワイヤードニュース日本版』から引用した記事を紹介する。
ついでに、ペンティアム3発表前に米国で問題化したこの計画について
昨年1月に同紙が報じた記事も紹介しておく。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
インテルがユーザー追跡用ID番号を断念
Declan McCullagh
2000年4月27日 3:00am 2000 PDT 米インテル社は、議論を巻き起こしたユーザー識別機能を、今年発売予定の1.5GHzの『ウィラメット』(Willamette)チップには搭載しないことを決定した。プライバシー擁護活動家たちによって再びキャンペーンが開始されることを避けようとしてのことだ。
インテル社に近い情報筋が26日(米国時間)に語ったところによると、ウィラメットの設計から除外されたのは、ID番号をはじめとするセキュリティー対策。いずれも、ユーザーを追跡できるようにして著作権侵害を制限するためのものだ。
この情報筋は、匿名を条件に次のように語った。「この決定はすでに下され、技術者たちに連絡済みだ。ユーザー識別機能によってセキュリティーが確保されたとしても、その利益は、われわれが受ける悪評につり合わない」
インテル社は1999年1月、個々の『ペンティアム3』チップに固有のID番号を組み込むと発表した。しかし、プライバシー擁護活動家たちがボイコットを開始し、著名な民主党議員がこの計画を非難したため、同社はこの機能を無効にできるようにした。
インテル社の経営陣は、この計画に反対するマーケティング業界、プライバシー擁護活動家、および技術関連の代表者から意見を聞いた後、大きな期待が寄せられているウィラメット・チップには同様の機能を組み込まないことを決断したようだと、情報筋は述べる。
ID番号以外に削除された機能として、ハードウェアのデジタル証明のサポートがある。これは銀行や金融会社が喜ぶ機能だと消息筋は言う。
『電子プライバシー情報センター』(EPIC)の顧問であるデビッド・ソベル氏は、この動きを歓迎している。
「われわれが常々言ってきたのは、その機能を欲しがるのは特定の機関ユーザーだけかもしれないということだ」とソベル氏は語る。「だが、それはユーザーが選択すべき問題だ。そして大多数の個人ユーザーは、自分たちのマシンに識別番号がつけられることを望まなかった」
1999年1月に開催された『RSAデータ・セキュリティー会議』では、インテル社のある幹部が、ID番号は電子商取引のセキュリティーを高めるのに利用できる可能性がある、と話した。
インテル社のパトリック・ゲルシンガー副社長は、こう述べた。「これは、保護されたチャットルームのようなものだと考えていただきたい。プロセッサーのシリアル番号を告げなければ、このチャットルームに入ることはできない。しかもアクセス制御には段階をつけることができる」
だが、プライバシー擁護活動家たちの見方はこれと異なったため、ID番号に反対するキャンペーンが始まった。
EPICでは、『情報自由法』(Freedom of Information Act)にまで訴えて、連邦政府がインテル社に圧力をかけてID番号を組み込ませたのかどうかを明らかにしようとした。「今のところ関わりがあったと認めた機関はない。だが、まだ全てに回答をもらったわけではない」とソベル氏は言う。
ある報道によれば、中国政府はこのID番号をかなり警戒し、ペンティアム3を搭載したコンピューターの使用に注意を呼びかけたという。
インテル社は、バグだらけではあったが、ID番号を無効にするソフトウェア・プログラムを発表し、その後BIOSの修正を発表した。
プライバシー擁護活動で有名な米ジャンクバスターズ社のジェイソン・キャトレット社長は、2000年秋に予定されているウィラメットの発売時に、論争が繰り返されるのをインテル社が避ける決断をしたことは喜ばしいと話す。
「驚きはしないが、非常に嬉しく思う。私を含めたすべてのプライバシー擁護活動家たちは、この話を終わりにできることを非常に喜んでいる」とキャトレット社長。
「これで、やっとボイコットを中止することができる」
[日本語版:平井眞弓/岩坂 彰]
日本語記事の典拠( http://www.hotwired.co.jp/news/news/20000428206.html )
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
昨年初めの
ペンティアム3の発表段階における
追跡コードの是々非々論争を報じた記事も紹介しておく
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
Pentuim3のプライバシー問題
Polly Sprenger
1999年1月25日 10:45am PST 米インテル社もついに 降参した。
世界最大のチップメーカー、インテル社は25日(米国時間)、議会と市民的自由擁護団体からの圧力に屈し、消費者のプライバシーを脅かすとされ議論を呼んでいた『Pentium3』の新機能を無力化できるようにすると発表した。
この翻意を招いたのは、米下院の通信・貿易・消費者保護小委員会に所属するエドワード・マーキー議員(民主党、マサチューセッツ州)が、インテル社のクレイグ・バレットCEOに宛てて送った書簡。この書簡で同議員は、新しいPentium3が消費者のプライバシーを守るという保証をパレットCEOに求めた。インテル社は新チップの発表時に、このチップの新しい技術によりユーザーの特定が容易になることを明らかにしていた。
インテル社は25日午後、顧客に対して、議論を呼んでいたプロセッサー通し番号技術を使えなくするソフトを提供するつもりであると発表した。
「インテル社がプライバシー問題について顧客の意見を聞いたというのは、消費者にとって大きな勝利だ」とマーキー議員は述べた。
インテル社の広報、トム・ウォルドロップ氏は、「(プライバシー擁護団体からの異議は)はじめから聞いており、われわれは、ユーザーがプロセッサーの通し番号機能を外せるようになるコントロール・ユーティリティ・ソフトを開発していた。このユーティリティーに手を加え、プロセッサーのセキュリティ番号をオフにすると、ユーザーが再びオンにする命令をしないかぎり、オフ状態のままになるようにしていく予定だ」と述べた。
マーキー議員はバレットCEOに宛てた22日の書簡において、ネット上に各コンピューター固有の「指紋」を送信する能力を持つこのチップに関して、プライバシー問題が起こる可能性があることを憂慮すると述べていた。
「わたしの意見では、インテル社の新しい製品は、個人のプライバシーを犠牲にしてオンライン商取引を推進させる技術に基づくものだ」とマーキー議員は書簡で述べている。「インテル社が、消費者のプライバシーを危険にさらさないやり方で電子商取引の安全性を増進させる製品を設計する方法を探求することを望んでいる」
このチップは21日に発表されたもので、オンライン商取引において消費者を特定できる通し番号が組み込まれている。インテル社は当初、この機能がずっとアクティブになるよう計画していた。
プライバシー問題の専門家は、インテル社の方針変更に関して、慎重な見通しを持っている。
「インテル社の決定は恒久的な解決策ではない。これらの番号はなお、ユーザーから強制的に引き出される可能性がある。米マイクロソフト社が特定のソフトを使うためにこれらの番号をオンにすることを求めることも考えられる。いったんオンにされてしまったら、もうやられ放題だ」と、『電子プライバシー情報センター(EPIC)』の政策責任者、デイブ・バニサー氏は語る。「この番号が存在する限り、プライバシーは侵害される」
『民主主義と技術のためのセンター』の顧問スタッフであるディアドル・マリガン氏によれば、インテル社のチップは、消費者がウェブで経験するプライバシーとセキュリティの在り方を劇的に変える可能性を持っているという。
「われわれは、技術的な決定と製品の出荷が、重大な社会的意味を持ちうる時代に生きている」とマリガン氏は述べた。
マリガン氏によると、同センターは、EPICおよびジャンクバスターズというグループとともに、インテル社に関する懸念について議論しているという。
マーキー議員のスタッフの1人であるコリン・クロウェル氏によれば、マーキー議員がこの問題に関わると決めたのは22日で、インテル社の発表を報道で読んでからだという。
「マーキー議員は電子的プライバシー問題について積極的に取り組んでいる。プライバシー関連のコミュニティに属する多くの人々から(Pentium3に関する)不満を聞いていた」とクロウェル氏は述べた。
「(マーキー議員は)Pentium3がプライバシー問題のバランスを、商業的なセキュリティを確保するためには不必要と思われる方向でゆがめるのではないかと懸念していた。従ってインテル社に対し、現在の計画を再考するよう依頼したのだ」
インテル社としては、これ以上政府と事を構える気にはなれなかったという事情もある。
昨年、連邦取引委員会は、インテル社はパソコンのマイクロプロセッサーの独占に近い力を濫用し、コンピューター会社を圧迫しているとして、反トラスト法訴訟を起こした。それ以降、政府とインテル社はそれぞれの立場を主張する根拠となる証拠を集めている。公判は、暫定的な予定では、3月上旬に開始される。
インテル社はPentium3を今四半期(1-3月)中に発売する予定。
WIRED NEWS原文(English)
日本語記事の典拠( http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/1918.html )