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2000.04.22
Web posted at: 5:07 AM JST (2007 GMT)
ノースカロライナ州ローリー ノースカロライナ自然科学博物館とノースカロライナ州立大学の研究グループは21日、6600万年前の恐竜の化石を分析したところ、温血動物に近い心臓を持つ恐竜がいたとの調査結果を発表した。「恐竜は爬虫類に属する冷血動物」という説を覆す有力な証拠として注目を集めそうだ。
分析された化石は、1993年にサウスダコタの農場で見つかった。化石は、農場主の妻の名前にちなんで「ウィロ」と命名され、同博物館で陳列されてきた。化石は保存状態は極めて良かったため、研究グループがコンピューター断層撮影(CT)に踏み切ったところ、発達した4心室と1本のアーチ状の大動脈をはっきり確認できた。
同研究グループは、「大動脈が、酸素を多量に含む血液を分別して、全身に優良な血液を送り出す。この仕組みは、鳥の心臓に近いものだ」としている。
恐竜は冷血動物の爬虫類に分類されている。ほとんどの爬虫類は3心室で、血液は2本の動脈で全身に送られる。
研究グループは「すべての恐竜が、同じタイプの心臓を持っていたわけではない」としながらも、「テスケロサウルスのような草食恐竜は、肉食の大型恐竜から身を守るために、素早い動作ができるような体の仕組みが必要だった。テスケロサウルスが生きていた時代は、恐竜の絶滅期に近い。つまり、恐竜末期には複雑な仕組みの心臓を持ち、新陳代謝が活発だった恐竜もいたと推定できる」と結論づけている。
研究者の中には「今回の発見は、恐竜がどのように進化したかについて、従来の説を覆すものだ」とする声もあがっている。調査結果は21日発売の科学雑誌「サイエンス」誌に掲載される。
http://cnn.co.jp/2000/US/04/21/dino.nc/index.html
★リアルプレーヤー画像あり。