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題名:No.368 拳銃よりも
危険な米国医療
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From : ビル・トッテン
Subject : 拳銃よりも危険な米国医療
Number : OW368
Date : 2000年4月13日
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今回は、このOur Worldシリーズで何度か紹介している、『オーランド・センティネル』紙のコラムニスト、チャリー・リースの記事をお送りします。記事を読む前に是非知っておいていただきたいことは、私がこの記事を紹介するのは、米国の銃規制反対に対する筆者の立場を支持するからではなく、銃犯罪の多い米国において小銃や機関銃による死亡者よりも、医師や病院の過失で命を失う人の方が多いという事実に驚かされたからだということです。日本でも昨今、医療機関で数多くの医療ミスが起きています。日本に関する統計数字はありませんが、日本では銃犯罪は少ないでしょうから、「医師の存在自体が銃よりも我々の身にとって危険である」という状況がもっと当てはまるかもしれません。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。
(ビル・トッテン)
拳銃よりも危険な米国医療
『オーランド・センティネル』紙 1999年12月7日
チャーリー・リース
日本の真珠湾攻撃では、約3,000人の米国人の命が奪われた。かつて真珠湾攻撃のあった日の前日である1999年12月7日、医学研究所は米国の医師および病院が、毎年4万4,000〜9万8,000人の米国人の命を奪っていると発表した。
読者はこれら2種類の数字をどう思われるだろうか。さらに、米国の医療が小銃/軽機関銃などの小火器よりも危険であることも明らかである。米国では、小火器による事故(つまり誤使用)によって年間約1,400人の命が奪われている。小火器による事故、殺人、自殺の死亡者数をすべて合わせても、年間医療過失数の最低推定値、4万4,000人には及ばない。
それにもかかわらず、多くの医師が厚かましくも小火器の個人所有に反対する運動に参加している。市民が銃を保持する権利は、第二次世界大戦中に、米国民が死守した権利の1つである。兵士に凶器である銃の使い方を教え携帯させているのは政府でありながら、退役して一般市民になるやいなや、「あなた方には安心して銃を携帯させることはできない」などと政府が国民にのたまうのを聞くにつけ、あまりの自家撞着ぶりにやりきれなくなる。
また、医療に携わる者たちが、自分達の不始末をなくすことが先決でありながら、殺人は公衆衛生上の問題だと、独善的かつ誤った発言をしているのには、さらに矛盾を感じる。正しくは、殺人は道徳上の問題であり、医師の過失で殺されることこそ公衆衛生上の問題なのである。道徳的に問題なのは、薬品会社によって医師たちが薬のセールスマンになりさがったことであり、薬品会社からお金をもらっていわゆる臨床研究に参加する医師たちである。
オオカミのように貪欲な法廷専門弁護士は、以下のことを知っておくべきである。犯罪に小火器が使用されるのを銃メーカーの責任だとするのならば、薬品が医師によって誤使用され人間の命が奪われるのは、その医薬品会社に法的責任がある。資金力からいえば、豊富な資金を有する薬品会社は弁護士が獲物にするにはうってつけである。
米国において殺人犯より3〜5倍も危険なのは医師や病院の方であるという正式な調査結果が出たばかりではないか。病院で死ぬ確率の方が、殺人犯に遭って死ぬ確率よりも高いのである。
第二次世界大戦(1941〜1945年)における米国人戦死者の数に比べても、同じ年数の間に米国の医師や病院によって殺された米国人の数の方が(医学研究所の年間推定件数の最大値を当てはめた場合)、日本やドイツ軍によって殺された米国人の数よりも多くなる。戦争を生き残った米国人兵士が医者に殺されるために帰還することになるとは、なんとも悲しい結末である。
公衆衛生の危機なるものをもたらしている原因とは、薬品会社が医療機関にあまりにも大きな影響力を持ち、広告や新しい妙薬に関する情報を医師に浴びせかけることである。この傾向はロックフェラーの時代にまで溯る。ロックフェラー家は薬品に巨額の投資を行い、米国医師会と共謀して、対症療法の医療(薬を使った治療)が、唯一正当な医療だと世界中の人々に信じ込ませることに成功したのである。
医師はあまりにも多くの患者を治療しようとする。政府の規制は医師と病院に多くの負担を課す一方で、薬価を釣り上げる薬品業界に対する規制はまるで不十分である。
医師と商業広告によって米国人は、錠剤を飲んだり液剤をすすったり嗅いだりしさえすれば、いかなる病気や苦しみも治るという誤った考えを植え付けられてきた。そう考えると、なぜ麻薬撲滅戦争が成功しないかの理由も明らかであろう。
確かに、医療の過失をなくすためにやらねばならないことはたくさんある。しかし、その一方で、医師は憲法修正第2条(州の民兵を維持する必要上、 市民が銃砲を保持・携行することを権利として保証する条項)への攻撃をやめるべきである。医師の存在自体が、拳銃よりも我々の身にとって危険なのであるから。