Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/top/3t2000040301.html
小渕昏睡状態!政局重大局面
青木会見13分で打ち切り
[青木官房長官会見]
順天堂大学病院(東京・本郷)に緊急入院した小渕恵三首相(62)の
病状について、青木幹雄官房長官(65)は、3日午後4時から首相官邸
で記者会見を行い、「脳梗塞(こうそく)が進み、一部出血がみられる。
意識レベルはこん睡状態。昨晩から人工呼吸器による管理をしている。予
断を許さない状況」と発表。“危篤状態”であることが明らかになった。
公務復帰は不可能なため、青木氏自身が小渕首相の指名で首相臨時代理に
就任した。沖縄サミットや解散・総選挙を間近に控え、小渕内閣は極めて
重大な局面を迎えた。
「総理の病状検査について申し上げます…」
首相官邸の会見室。つめかけた200人以上の報道陣を前に、青木氏は
手元のメモを見ながら、少々緊張ぎみにこう話し始めた。
会見によると、小渕首相の病名は脳こうそく。現在、集中治療室で医師
団による必死の治療を受けており、公務復帰について青木氏は「短期間で
は現場復帰できないと判断した。2、3日では無理」と語った。
このため、「2日に総理を見舞ったとき、総理から『有珠山の噴火対策
など一刻もゆるがせにできず、検査の結果によっては、あなたが臨時代理
の任にあたるように』との指示があった」として、青木氏自身が首相臨時
代理に就任したことも明らかにしたのだ。
それにしても、この青木会見は不可解だった。
昨夜の時点では「検査結果が分かり次第、発表する。国政をつかさどる
総理だから正直に話したい」とオープンな姿勢を強調していたのに、会見
で「こん睡状態なのか? 意識はあるのか?」と聞かれても、青木氏は
「集中治療室に入っているので、この場では申し上げられない。承知して
いないが、治療中だ」などとあいまいに答えるのみ。
イラ立った記者団が「国民にきちんと説明してください!」と追及する
と、青木氏は「私は素人だから病気のことは分からない」「病院に任せて
いるから」などと明言を避け、わずか13分で一方的に会見を打ち切った
のだ。
それにしても、最高権力者の急病ゆえか、今回の入院劇には「なぜ?」
がつきまとう。
【なぜ発表が1日遅れた】
小渕首相の緊急入院が発表されたのは、入院から22時間半後の2日午
後11時半。青木氏は記者会見で「国政の責任を持っている首相だけに、
できるだけ正直に話した方がいい」と発表の理由を語ったが、丸一日後と
いうのはあまりに不自然といえる。
この疑問について、全国紙のある政治部記者は「当初、首相周辺は2日
夜までに退院できるのなら入院したことを隠し通そうとしていたようだ。
ところが、思ったよりも病状が悪く、入院が長引く可能性が出てきたた
め、発表に踏み切ったようです」と語る。
休日に公邸にいる首相の動静は、共同通信、時事通信の首相番記者が代
表で取材を行うが、取材自体は秘書を通じて行われる。
首相が体調を崩した1日夜に秘書は「午後11時に就寝」と伝えた。首
相はその2時間後に緊急入院したわけだが、その際、北海道・有珠山の噴
火活動警戒のため官邸敷地内の記者クラブに待機していた記者たちに知ら
れないよう、救急車は呼ばなかった。
すでに病院にいたはずの2日朝も秘書は、「午前6時に起床、朝の来客
なし」と連絡。午前、午後も「政策の勉強や資料整理などをして過ごして
いる」と“ウソ”の連絡をしていた。首相サイドがいかに神経質になって
いたかが分かる。
青木氏は、3日午後の臨時閣議になって初めて「小渕首相は2日午前1
時ごろ秘書の運転するライトバンで千鶴子夫人、警護官とともに病院にむ
かった。わたしは同日午前5時に報告を受けた」などと詳しいいきさつを
明らかにした。
「首相の健康状態は各界に大きな影響を与え、進退にも直結するため、
隠したい気持ちもわかるが、日本の政治の中心が丸一日、機能を停止して
いたにもかかわらず、国民には何も知らされなかったことになる」(民主
党関係者)
また、逆にあまりの発表の遅さに、2日夜に官邸に集まった記者団の間
に「手術をしているのでは?」「意識不明のようだ」といった憶測も飛び
交った。
【なぜ順天堂病院か】
「一切答えられない」
2日深夜、病院通用門のインターホンを通じて、集まった報道陣が首相
の病状などを確認しようとしたところ、順天堂病院側はキッパリと拒否し
た。
小渕首相が入院した同院は、脳外科や胸部外科などで高い評価を得てい
る総合病院。「心臓に爆弾を抱える」という首相が普段から診察を受けて
おり、昨年8月も2泊3日で人間ドック入りして、「脳神経系ドック」や
「心血管系ドック」を含む総合的なチェックを受けたといわれる。
政治家、特に最高権力者である総理大臣の健康状態は、国内外の政治・
経済情勢に影響を与えるためトップシークレット。このため、歴代首相は
秘密厳守できるかかりつけの病院を持っていた。中曽根康弘元首相ならば
東京女子医大病院で、竹下登元首相ならば北里研究所病院。海部俊樹元首
相は慈恵医大病院で、小渕首相の場合が順天堂病院というわけだ。
小渕首相は、恩師・竹下氏を中曽根氏の後継首相に担ぎ出そうとした昭
和62年秋にも心臓発作で倒れるなど、過去何度か緊急入院を繰り返して
おり、首相就任後も番記者に行き先を告げずに検査入院することがあった
という。
今回、入院先が順天堂病院だったことで、ある与党幹部は当初、「心臓
障害ではないか?」という見方を示したが、実は「脳こうそく」だった。
「順天堂病院は秘密厳守がとくに厳しい病院。他の病院に入院した政治
家
などは、しばらくすると本当の病名や病状が漏れてくるものだが、順天
堂はなかなか漏れない」(永田町関係者)といわれている。
--------------------------------------------------------------------
http://www.zakzak.co.jp/top/3t2000040302.html
青木官房長官会見一問一答
青木幹雄官房長官の会見内容は次の通り。
「病名は脳梗塞(こうそく)で現在、集中治療室で治療を受けている。
本日、(午前)9時、内閣法第九条に基づき私が内閣総理大臣臨時代理の
指定を受けた。昨日4月2日、小渕総理大臣を見舞ったとき、有珠山の噴
火対策など一刻も揺るがせないので、検査の結果では臨時代理にあたるよ
うにと指示を受けていた」
−−現在はこん睡状態なのか
「集中治療室に入っている。治療室のなかのことはこの場で申し上げる
ことではない」
−−いまの意識は
「そこまでは確認していないが、集中治療室で治療を受けている」
−−復帰のめどは
「おそらく一両日でできないだろうと判断し、私が昨日、臨時代理に就
任した」
−−手術は受けたのか
「集中治療室に入った後は一切、病院に任せてある」
−−言葉はきちんとしていたか
「私がお会いした時点ではきちっとしていた」
−−ろれつは
「そういうことはない」
−−総理はそれから集中治療室に入ったのか
「約1時後に入ったかと思われる」
−−後遺症は
「わからない」
−−長官は参院議員という立場で総理大臣の臨時代理になったが、こう
した状況はどのくらい続けて構わないと
「そういう判断は現在いたしておりません。先のことまでは考えており
ません」
−−検査の結果によっては代理をお願いしますという話だったのですね
「はい」
−−では結果が出たのか
「出ていないが、集中治療室に入ったので、その後の連絡を直接本人と
はできないと判断したので私が判断した」
−−一存か
「私の一存です」
−−臨時代理を置くということは当面、公務復帰はできないということ
か
「おそらく短期間は復帰できないという判断を私はした。日数に関して
はくわしく分析していない」
−−どれくらい入院しているのか
「詳しいことはわからない。2日や3日で復帰するということではない
と判断した」
−−医者でもないのにどうして判断できるのか
「医者ともある程度、話をした上での判断」
−−医者は何と言っているのか
「そこまで詳しいことを申し上げる必要はない」
−−なぜか
「なぜでもありません。お医者さんの言われることを判断すべき」
−−行政の責任者なら聞かれたことを話すべき
「だからはっきりと申し上げました。病名は脳梗塞(こうそく)で集中
治療室で治療に全力をあげているということ」
−−2、3日動けないというのは青木さんの判断ではなく、医者の判断
か
「お医者さんの判断と受け取っていただいて結構」
−−離脱問題はこれからどうなるのか
「これと関係ない」
−−昨夜の発表は総理の入院から約1日ぶりだった。遅れた理由は
「総理が入院し、いろんな検査を受けているので検査を見守っていた。
で、遅れた。他意はない」
−−昨日、記者団の首相動静について、官邸側は午前6時に起床され、
午前、午後とも公邸で過ごされていると発表したが
「その点はよく承知しておりません」
−−それによって長官の会見までは間違った情報が流れた。一部の地域
の新聞には先ほどの動静がそのまま流れている
「承知いたしておりません」
−−臨時代理を置くまでにこれだけ時間がかかったが、その間に有珠山
などの有事が起きた場合はどうしたのか
「ちゃんと対応するつもりでした」
−−それはどういう
「官邸に駆けつけて対応することは考えていた」
−−自衛隊の最高指揮官は首相だが、自衛隊が出動するような案件が起
きた場合はどうしたのか
「ただちに総理と連絡をとる考えでおりました」
−−総理は判断できない状態だったのでは
「いまのような状態になったのは(昨日の)午後8時過ぎだから、それ
まではいつでも連絡がとれる態勢はとれていた」
−−なぜすぐ代理をたてなかったのか
「それは集中治療室に入ってどのような状態になるのか判断できないの
で。判断ができるまで時間がかかった。決して他意はない」
−−その時点で入院の事実を公表すればいいのではないか
「入院して検査の結果がでるまではすぐに官邸に帰られる、公邸に帰ら
れる状態もあり得るわけですから」
−−集中治療室に入れば簡単に戻ってこられるとは思えない
「病気のことだからわれわれも慎重に対応した」
−−集中治療室に入る直前はどういう状態だったのか
「直接会った」
−−そのまま見送られたのか
「午後7時すぎに病院に行ったときは総理は冷静でした。話ができる態
勢でした」
−−長官と冷静に話ができる状態なのになぜICUに入らなければなら
ない
「わかりません。その後病状が変わって集中治療室に入るわけになっ
た。その間の病状の変わり具合は病院にお任せしている」
−−あの会見のときなぜ集中治療室に入ったとなぜ言わなかった
「そのときはわからなかった。だから、いまはっきりと」
−−その後、医者から説明、電話とか
「あったが詳しいことは聞いていない」
−−会った1時間後に容体が急変した
「どの程度の急
変かわからない。病院の判断に任せている」
−−生命の危険は
「それはわかりません」
−−運んだ車は
「公邸の車だったと思う」
--------------------------------------------------------------------